欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想
(2021年9月9日木曜日:東京時間20時45分、ラガルド総裁記者会見は21時30分)
本日は開催中のECB金融政策会合の要旨が記者発表され、その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。今回のECB会合に際し、全てのエコノミストが政策金利やその他の金利に関する政策は据え置きを予想し、従いレンジ幅がありません。
欧州中央銀行政策金利予想
(9月9日9時00分現在)
今回の注目点は
@ 基本的に年内までは現行の金融政策を変えないとの見方が大勢です。
A 欧州は経済状況がやや好転したことで、FRBに続きテーパリングの開始時期を明示する議論があるか否か? もし議論あればその時期はFRBより遅れるか、早いか?
B ユーロスタッフによる経済見通しの改定が予定されていますが、どの様に変わるか?特に8月HICPのコアインフレが年率で+1.6%(7月+0.7%)まで上がりましたが、下図の6月時点のECB予想では既に年央で2%越え、ピークは11月頃の+2.6%、年末は+1.9%ですので、今のところ米国ほどのインフレ圧力が見られません。これを見直しするか否かが注目されます。
(出所:ECB HP)
下表は前回6月時のユーロスタッフによるGDP見直し、HICPインフレの改定
C 独連銀総裁が9月1日に現在の緩和的な金融政策は適切だが、インフレ見通しリスクは上方向であり、PEPPは段階的に縮小すべきと述べており、議事内容に最低でもこの辺りの見方が反映されるか否か。
米国よりも遅れての景気回復や金利高ですので、市場は現状維持派大勢の中で、引き締め議論開始派がいるようです。結果次第で相場に影響を与える感じです。
尚、前回(7月22日)の記者発表要旨一部は以下になっています。
(記者発表要旨)
・新しい戦略は中期的に対称的な2%インフレ目標を採用。
・運営審議会はHICPが適切な物価手段であることを確認し、暫くの間は自己所有の住宅を含めたものを考慮することを勧めている。
・新金融政策戦略は2020年1月に発効した戦略の徹底的な見直しの結果である。
・運営審議会は(金融政策において)野心的な気候変動行動計画を承認した。
運営審議会は物価安定が中期的に2%インフレ目標を維持することが最善であると考えている。この目標は対称的である。その意味することは、目標とするインフレ率に関し、マイナスやプラスの偏差は等しく望ましくないことである。経済が名目金利の下限近くで動いている時、インフレ目標からマイナス偏差を避けるために、強力あるいは持続的な金融政策によりそれから守ることが必要とされる。これはまた、インフレが目標越えて緩やかに移行する期間を意味している。
また、運営委員会は一連のECB金利が主要な金融政策手段であることを確認した。他の手段として、例えば、フォワードガイダンス、債券購入、あるいは長期借入操作は、過去10年以上に亘り名目金利の下限によって生じる制限を緩和するのに役立っており、ECBのツールキットとして不可欠な部分であり、必要に応じて適切に使われてきた。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:ECB HP)
下図はユーロ円の週足チャートです。2020年3月の底値を起点としてユーロ高を形成していたラインA(=1.1950)は既に切れています。現在は今年1月高値からのラインB(=1.2200)とそこから平行に下したC(=1.1580)でユーロ安トレンドラインを形成しています。直近はこの間のラインD(=1.1730)の抵抗線を上抜けているので、現在は更にAを越え、Bまで戻れるか、あるいは再度Dを割って、トレンド下限のCまで行くのか、今日のECBの内容次第と思われます。
尚、Cの手前には〇印内にある1.1600のサポートが効いています。1.1580〜1.1600が少し固くなっています。
(2021年9月9日10:00、1ユーロ=1.1814ドル)
オーダー/ポジション状況
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