ドル全面高へ風向き変わる、リラ安と円安相殺で7日深夜からは下げ渋り
〇昨日のトルコリラ円、夕刻13.29までわずかに高値更新するも、その後ドル全面高で9/7夜13.16へ急落
〇ドルトルコリラ、9/7夕刻8.25をつけ高値圏を維持していたが、ドル全面高へ風向き変化
〇9/7夜はドル買いリラ売りが再燃、9/8早朝には8.35まで下落
〇米雇用統計発表による一時的なドル安反応の消化後は、規定路線に変更なしと再認識されドル高基調へ
〇13.25以下での推移中は一段安警戒とし、13.14割れからは13.05前後への下落を想定
〇13.25から13.28手前のゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる
【概況】
トルコリラ円の9月7日は13.29円から13.16円の取引レンジ、8日早朝の終値は13.19円で前日終値13.25円から0.07円の円高リラ安だった。
8月20日からは為替市場が全般的なドル安基調で推移し、トルコリラ円も8月20日早朝にドル/トルコリラがフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高を発生したところでの乱高下した時の安値12.74円を起点とした上昇期に入り、9月2日高値では13.29円を付けて6月2日安値12.44円以降の高値を更新した。
9月3日に夕刻のトルコの8月物価上昇率の発表と夜の米雇用統計に対する反応で乱調な展開となったが、9月4日未明には13.14円まで下落した。
9月6日は米国市場休場の中でユーロや豪ドル等の上昇感が行き詰まったもののドル/トルコリラの上昇が継続したことを背景に夕刻に13.20円を超えたところからテクニカルな買いでいったん戻しに入り13.28円まで戻り高値を切り上げ、7日夕刻には13.29円までわずかに高値を更新したのだが、欧州市場時間入りからドル全面高の様相が深まったことで夜に13.16円へ急落、その後は13.20円を挟んだ下げ渋りとなっている。
【ドル全面高の様相にドルトルコリラでもドル高リラ安へ揺れ返し】
ドル/トルコリラの9月7日は8.35リラから8.25リラの取引レンジ、8日早朝の終値は8.34リラで前日終値8.27リラからは0.07リラのドル高リラ安となった。
9月3日のトルコ物価統計発表からの乱高下でいったん8.34リラまで下落したところから米雇用統計発表直後に8.24リラへ上昇、6日夕に8.33リラへ下落したところから6日夜に8.25リラへ反騰、7日夕刻にも8.25リラをつけて高値圏を維持していたが、ドル全面高へ風向きが変わる中で7日夜はドル買いリラ売りが再燃して8日早朝には8.35リラまで下落した。
為替市場は8月20日を起点として9月3日の米雇用統計発表直後まではドル全面安の様相で推移してきた。ユーロドルは8月20日夜安値1.1662ドルから9月3日夜高値1.1908ドルまで丸2週間の上昇だったが、9月7日深夜には1.1850ドルを割り込んできている。ポンドドルも3日夜の米雇用統計からの上昇を4日未明高値まで引っ張ったがその後は下落に転じている。豪ドル米ドルは7日午後の豪中銀金融政策発表からいったん上昇したものの9月3日夜高値にとどかずに一段安となった。南アランドも9月7日早朝にこの間の高値を更新したところからは下落、メキシコペソも9月3日夜高値の後はややジリ安の推移となっている。
総じてドル高基調へと揺れ返しの動きがみられるが、米雇用統計における非農業部門就業者数が予想を大幅下回ったことでの一時的なドル安反応が消化されると、米失業率や平均時給が改善していることを踏まえれば年末までには米連銀も量的緩和縮小に入るという既定路線は変わらないだろうと再認識されて米長期債利回り上昇でドル高という流れになってきた印象だ。
ドル/トルコリラも8月11日安値からの反騰を継続してきたが、9月3日高値8.245リラで上昇一巡となり下落に転じつつあるところと思われる。一方でドル円が反騰しているためにトルコリラ円は下げ渋りも見られるが、9月7日高値では9月1日高値に届かずに失速しているため、円安よりもリラ安に圧されやすい力関係になってきている印象だ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月4日早朝安値からの反騰で7日夕刻まで戻り高値を切り上げたが、その後の急落で4日早朝安値に迫っているので、7日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は8日深夜から13日朝にかけての間と想定されるのでまだ一段安警戒とみる。13.25円までを上値抵抗とし、13.25円超えからは強気転換注意として7日夕高値試しとするが、現時点から新たな強気サイクル入りするには7日夕高値を超える必要があると思われる。
60分足の一目均衡表では9月7日夜の反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンが戻り抵抗帯になりやすいとみる。強気転換には先行スパンを上抜いて7日夕高値へ迫る必要があると考える。
60分足の相対力指数は9月6日夜から7日夕への高値切り上げに際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が発生して下落に転じた。30ポイント台序盤へ低下した後は下げ渋りだが、50ポイント以下での推移か一時的に超えても維持できないうちはもう一段安余地ありとし、強気転換には60ポイントを超えるような反騰が必要と思われる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.14円を下値支持線、13.25円を上値抵抗線とする。
(2)13.25円以下での推移中は一段安警戒とし、13.14円割れからは13.10円前後、次いで13.05円前後への下落を想定する。13.05円以下は反騰注意とするが、13.23円以下での推移なら9日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.25円から13.28円手前のゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
【当面の主な予定】
9月09日
20:30 外貨準備高(グロス) 9/3時点 (8/27時点 779.6億ドル)
9月10日
16:00 7月 失業率 (6月 10.6%)
9月13日
16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 2.3%)
16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 23.9%)
16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 14.4%)
16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 17.4%)
16:00 7月 経常収支 (6月 -11.27億ドル)
9月15日
17:00 8月 財政収支 (7月 -458億リラ)
9月23日
20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 19.00%)
※ポイント要約は編集部
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