ドル上値トライ、一旦仕切り直しに
〇本日のドル円、一時110.10台まで上昇するも続かず、109円台へ押し戻される
〇今晩、7月貿易収支や製造業受注指数、週間新規失業保険申請件数など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50
〇東京高値110.10-15がまずは意識されそう、抜ければ昨日高値110.41がターゲット
〇ドル安・円高方向は110円前後がテクニカルポイント
<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場は「行って来い」。小幅にドルが買われ一時110.10円台まで上昇するも続かず、再び109円台へと押し戻されている。
ドル/円は、109.95-00円で寄り付いたのちドルが小幅高。日中高値の110.10-15円へと値を上げた。しかしキープできずに109円台へと反落、その後は110円挟みの展開をたどっている。日米株価の動きに一喜一憂しつつも、基本的には週末の米雇用統計待ち。積極的な動意は手控えられている。16時現在、ドル/円は110円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、ドル/円以外も総じて動意が乏しいなかランドは対円で終盤にかけ一段高。前日記録した直近の戻り高値に面合わせする局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズ」と「日本の政局」について。
前者は、昨日発表された8月のADP雇用統計は事前予想プラス63万人に対し、半分程度のプラス37.4万人。前月に続く2ヵ月連続のネガティブサプライズとなった。その後発表された8月のISM製造業景況指数は逆に好数字となったものの、時すでに遅し。ドル/円などにおけるドル高基調に水を差された感は否めない。南部ルイジアナ州のエドワーズ知事が緊急の燃料支援を要請するなど、大型ハリケーン「アイダ」の被害が広がっていることを改めて表明したことも合わさると、景気回復への警戒感を喚起していたようだ。
対して後者は、毎日新聞が「菅首相、自民党役員人事で河野氏を要職に起用へ」と指摘したうえ、「石破元幹事長を党要職で処遇する案も浮上しているようだ」と報じた。一方、自民党総裁選に出馬の意思を示している岸田前政調会長は記者会見を行い、「コロナ対策で数十兆円規模の経済対策を実施したい」との発言や、「ステイホームを可能にする経済対策」、「金融緩和をしっかりと続けることが大事」とする総裁選における経済・金融対策に関するコメントもいくつか聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は形成していた85ポイントレンジの上限、110.26円を一時上抜け。110.41円まで値を上げたが続かず、再びレンジ内へと押し戻されている。本日の東京は旧レンジ109.41-110.26円のなかでの推移だった。いわゆるドルの上値トライ失敗、あるいは「ダマシ」の可能性も否定できないが、明日に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、まだ断定はできない。結論保留のなか、本日だけに限れば明日の材料にらみ。再びレンジ取引をたどる可能性もありそうだ。
米ファンダメンタルズならびに、金利動向への関心が高いという状況に変化なし。前述したようにADP雇用統計が2ヵ月連続のネガティブサプライズとなったこともあり、明日発表の米雇用統計への関心がますます高まった感もある。本日も7月の製造業受注指数をはじめ幾つもの重要指標が発表される見込みだ。内容如何では波乱の展開をたどる可能性も。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間程度推移していた109.41-110.26円の「小レンジ」をザラ場ベースで上抜くも、NYクローズでは超えられず。上値トライが失敗したとはまだ言えないが、取り敢えず一旦仕切り直しになったことは間違いない。本日に限ればザックリ110円±50銭といったレンジ次の方向性をうかがう展開か。明日、米雇用統計発表前後のレンジブレークに期待をかけつつ、エネルギーを蓄積する動きが見込まれているようだ。
材料的に見た場合、中長期的には、米中対立が気候問題へと広がる影響も懸念されている「中国情勢」のほか「新型コロナ(デルタ株)」や「アフガン情勢」、平田デジタル相という現役閣僚からも岸田氏支持の声がついに上がった「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の貿易収支や同製造業受注指数、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。昨日ADP雇用統計発表後のような波乱を警戒する声も少なくない。ほかに、アトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁などが講演や討論会を行う予定で、こちらも注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50円。東京高値110.10-15円がまずは意識されそうだが、抜ければ昨日高値110.41円がターゲット。それも上抜けると8月高値110.80円を目指す。
対するドル安・円高方向は、やはり110円前後がテクニカルポイントとして育ちつつあり、昨日安値も109.88円まで。ただ、しっかり割り込めば8月31日安値109.59円が意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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