米8月失業率関連指標の予想
明日は注目の米雇用統計関連数値が発表されます。前回7月は下表@〜B全て予想を上回り、特に@、Aはサプライズとなりました。Aは5・6月も上方修正され、その分を加味すると実質のNFPは+1,062万人となっています。米国のNFPはまだコロナ前の水準を回復していませんが、かなりのピッチで改善傾向を辿っています。その意味では8月の数値は非常に重要となります。既に発表された8月ADP社は+37.4万人(予想+61.3万人)となりました。7月のADP社も+33万人(今回⇒+32.6万人に下方修正)(予想+69.5万人)に留まり、2ヶ月連続で予想の半分程度の結果になっています。今回のNFP予想は+72.5万人で、昨日のADP社発表前時点のNFP予想+75万人からするとやや下方修正予想になっていますが、ADP社の結果と比較してもまだかなりの差異となっています。
また、下表(今回予想)を見ると、@も大きく改善しています。尤も、FRBの6月時点の失業率予想では2021年末に4.5%(3月時と変更なし)ですので、それをベースにすれば、予想通りの改善傾向を続けていることになります。9月のFOMC時に経済見通しの改定がでますが、どのようになるか注目されます。また、平均時給はかなり堅調な推移となっています。消費には良い材料です。
今回予想
(9月2日14時現在:直近の予想値をご確認願います)
NFPとADP社の雇用推移
上記表のNFPとADP社の差異ですが、8月が予想通りになるとその差は136万人となります。また2020年5月以降のNFPは+1712.6万人、ADP社は+1330.7万人となり、その差は+381.9万人となり、両者間の公務員のカウントを勘案してもかなりの差が開いています。
下図はNFPとADPのコロナ後に雇用回復を始めた2020年5月以降の3ヶ月移動平均線となっています。〇印以前は両者が重なりあって推移していましたが、7月以降に大きく拡大しています。しかも青のNFPは右肩上がりの増加に対してADP社は6月ピークに下がり気味です。いずれADP社がNFPに引き寄せられるのか、その逆になるか、今後の傾向をウォッチしたいと思います。
また、今回のNFPが予想通りになると、この2ヶ月で約80万人強/月の増加になり、このペースでいけば、コロナ前の水準を回復するには503.4万人÷80万人=6.3ヶ月掛かることになります。
下図はドル円の週足チャートです。目先の動きは昨日のISM製造業景況指数時に添付した日足チャートの状況と変わっていません。
もう少し長めで見ると、昨年3月の乱高下でできたラインA(=111円60銭)とB(=103円80銭)の3角保合いの収斂継続中になっています。この間のサポートC(=112円70銭)を切ってからは下押しになっていましたが、4月下旬を底値にしたサポートD(=109円20銭)に支えられて小反発し、7月初旬高値からのE(=110円50銭)で小さな保合いの収斂となっています。Eをブレークすると、Dから平行に上げたF(=112円40銭)に沿ってドル高地合いに入りそうです。逆にDを切れば、AとBのレンジ内で下方をトライする流れに入りそうです。
尚、NY市場は月曜日が休場となりますので、余程のサプライズ数値にならない限り、ポジションを傾けたまま休みに入る可能性は低いので、最後は売り買いの戻しが入りそうです。
(2021年9月2日15:30、1ドル=110円00銭)
オーダー/ポジション状況
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