南アランド週報:『約2週間ぶり安値圏へ続落。来週は南アCPIに注目』(8/14朝)

南アランド円相場は、8/4に記録した直近高値7.67円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、一時7.41円(約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。

南アランド週報:『約2週間ぶり安値圏へ続落。来週は南アCPIに注目』(8/14朝)

『約2週間ぶり安値圏へ続落。来週は南アCPIに注目』

〇今週の南ア円、週明け7.56レベルから週末にかけ7.41まで下落
〇米長期金利上昇、南アコロナ感染拡大懸念、南ア財務相辞任を受けた不透明感が重石
〇南ア円、今週の下落で基準線、転換線を下抜けテクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも経済指標の不冴えからの先行き不安、南ア早期利上げ観測後退等売り材料残る
〇南ア円下落がメインシナリオ、8/18発表の南アCPI、小売売上高要注視
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.60

今週のレビュー(8/9−8/13)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.55円で寄り付いた後、早々に週間高値7.56円まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、@米早期テーパリング観測の高まりを背景とした米長期金利の上昇(先週末金曜日に発表された米7月雇用統計が強かったことで米早期テーパリング観測が再燃→国内から国外への資本流出圧力が活発化)や、A南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大懸念、B南ア6月製造業生産(結果12.5%、予想14.7%)の冴えない結果、Cムボウェニ財務相の辞任を受けた先行き不透明感(後任のゴドングワナ新財務相に対する手腕の不透明感)が重石となり、週末にかけて、週間安値7.41円(7/28以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/14午前5時00分時点)では7.45円前後で推移しております。

来週の見通し(8/16−8/20)

南アランド円相場は、8/4に記録した直近高値7.67円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、一時7.41円(約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も継続するなど、テクニカル的に見て「地合いは弱い」と判断できます(下値目途は7/26に記録した約4ヵ月ぶり安値+200日移動平均線が丁度重なる7.34円前後。同水準を下抜けた場合は、心理的節目7.00円前後まで急落する恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大懸念や、A南アフリカ経済の先行き不透明感(先週発表された南ア7月製造業PMI及び南ア7月民間PMI、今週発表された南ア7月SACCI企業景況感指数は全て市場予想を下回る冴えない結果)、B国内から国外への資金流出リスク(米早期テーパリング観測を背景に新興国通貨に下押し圧力が加わり易い地合い)、C南ア中銀による早期利上げ観測の後退(現行の金利水準が長期間据え置かれるとの思惑)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が複数残っております(余程強い南アランド買い材料が出てこない限り、上値余地は限定的)。

『約2週間ぶり安値圏へ続落。来週は南アCPIに注目』

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/18に予定されている南ア7月消費者物価指数及び南ア6月小売売上高に注目が集まります。双方とも市場予想を下回る結果となった場合には、「インフレ鈍化→早期利上げ観測後退」の経路と、「景気減速懸念→国内から国外への資本流出」の経路の双方の影響で、南アランドに強い下押し圧力を加える可能性もあり、来週はダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.60

注:ポイント要約は編集部

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