ドル円 短期レンジを上抜ける、米消費者物価に注目(8/11夕)

11日の東京市場はドルが小高い。本日も値動きは30ポイント程度にとどまったが、緩やかな右肩上がりで、7月14日高値110.69円も更新している。

ドル円 短期レンジを上抜ける、米消費者物価に注目(8/11夕)

短期レンジを上抜ける、米消費者物価に注目

〇ドル円、110.55前後で寄り付き緩やかな右肩上がりで110.70台に、日中高値圏を保ちつつ欧米市場へ
〇米上院、昨晩1兆ドル規模のインフラ投資法案を賛成多数で可決
〇本日発表の米消費者物価指数に注意、市場予想を超えてくるならドル買いが進む可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.30-111.30

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場はドルが小高い。本日も値動きは30ポイント程度にとどまったが、緩やかな右肩上がりで、7月14日高値110.69円も更新している。

ドル/円は110.55円前後で寄り付いたのち、当初はレンジ取引。しかし、徐々にドル買いが優勢になると110.69円も超えて110.70円台に。なお、ドルは対円以外でも全般的に買い進まれ、対ユーロやポンドなどでも堅調推移をたどっていた。ユーロ/ドルは、またもや直近安値(ドルの高値)を更新。ドル/円は結局16時現在でも110.70円レベル、日中の高値圏をキープしたまま、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、米上院にて実施された1兆ドル規模のインフラ投資法案を賛成多数で可決。今後は下院での可決を目指すことになるが、バイデン大統領は自身のSNSで「大きなニュースだ」などと喜びの声を挙げていた。そうしたなか、人事に関し興味深い話が2つ報じられている。ひとつは、米NY州のクオモ知事がセクハラ問題で辞任を表明。それを受け、後任にホークル副知事が昇格することになり、同州初の女性知事誕生となるとの話だ。また、WSJ紙は来年2月に任期切れとなるパウエルFRB議長について、「2期目就任を一部の民主党議員が難色を示している」と指摘、思惑を呼んでいた。

対して後者は、規模を縮小したものの、開催そのものを反対していた「米韓合同訓練」が実施されたことに、北朝鮮が強く反発している。韓国政府によると、反対の意を改めて示すためか、「10日午後4時予定の南北定時連絡に応じなかった」という。また、朝鮮中央通信は「米国と韓国は緊張を高めることを選んだ。安全保障上の大いなる危機にさらされている」などとした北朝鮮幹部の発言を伝えている。個人的には、米韓の弱腰姿勢が気になるものの、ともかく続報など関連ニュースには一応要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、本日東京時間に110.75円レベルへと値を上げてきた。まだ「しっかり」と超えたとは言えないものの、過去1ヵ月程度推移してきたレンジの上限をついに上抜けてきた格好だ。ターゲットとしては少し遠いが、年初来高値である111.66円も薄らと視界内に捉えられてきたようで、続伸を期待する声も聞かれた。
為替のみならず金融市場全般で、引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうしたなか、本日は今週発表される米経済指標のなかでもっとも注視されている米消費者物価指数が発表される見込みで、その内容にまずは要注意。ちなみに、事前予想値は前月より伸びが鈍化する見通しだが、それでも年率換算では4%台半ばとかなり強めの数字が見込まれている。そんな予想値どおり、あるいは予想を超える数字となった場合には、改めてドルが買い進まれる可能性も出てくるだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日レポートした年初来高値111.66円を起点とした下げ幅のフィボナッチポイント110.55円に続き、レンジ上限の110.69円も目先上抜けている。細かな上下動こそあるものの、先週4日に安値108.72円を示現後、流れとしては一貫した右肩上がりをたどっていると言えるだろう。前述安値から見て1週間で約2円の上昇をたどっており、徐々に荷もたれ感もうかがえるがリスクそのものは上方向か。111円台に乗せれば、名実とも111.66円の年初来高値が視界内に捉えられそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、米国や日本との対立が激しさを増す「中国情勢」や感染力の強いデルタ株の動きを中心とした「新型コロナウイルス変異種をめぐる動き」、この秋にも実施される見込みの「衆院選など日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の消費者物価指数が発表されるほか、米財務省による10年債の入札が実施される見通しだ。そのほかアトランタ連銀総裁やカンザスシティ連銀総裁の講演も見込まれており、その発言内容には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.30-111.30円。フィボナッチで見た場合、110.55円を超えた次のポイントは110.95-00円となる。超えればいよいよ111円台回復で、しっかりとした抵抗は年初来高値111.66円までない。
対するドル安・円高方向は、強く意識されそうなのは移動平均の21日線も近くに位置する110円前後だが、すでに若干遠くなっている。まずはその手前、110.30-40円をめぐる攻防に注目だ。

短期レンジを上抜ける、米消費者物価に注目

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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