ドル円、約1ヵ月ぶり高値更新後に反落。過度なインフレ懸念が後退(8/12朝)

11日(水)のドル円相場は上昇後に反落。

ドル円、約1ヵ月ぶり高値更新後に反落。過度なインフレ懸念が後退(8/12朝)

ドル円、約1ヵ月ぶり高値更新後に反落。過度なインフレ懸念が後退

〇ドル円、米長期金利の上昇を背景に一時約1ヵ月ぶり高値となる110.81まで上昇
〇その後、米長期金利急低下が重石となり110.32まで下落、売り一巡後は110.42まで持ち直し
〇ユーロドル、感染拡大リスクなどから1.1706まで下落後、ドル売り圧力等を背景に1.1739前後まで戻す
○ドル円一目均衡表雲上限に上値を抑えられ、ここ数日積み上がったドルロング勢の利食いが下落の背景か
〇ファンダメンタルズ的にはテーパリング開始後の楽観シナリオもありドル高、円売りの並走展開を予想
○ドル円相場の上昇がメインシナリオ、本日の予想レンジ:110.00ー110.80

海外時間のレビュー

11日(水)のドル円相場は上昇後に反落。@米早期テーパリング観測の高まりを背景とした米長期金利の上昇(米10年債利回りは7/14以来となる1.37%へ上昇)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値110.81まで上昇しました(7/7以来、約1ヵ月ぶり高値圏)。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、A米7月消費者物価指数(結果0.5%、予想0.5%)が市場予想通りの結果となったことや、B米7月消費者物価コア指数(結果0.3%、予想0.4%)が市場予想を下回ったこと(FRBの認識であるインフレは一時的との見方を裏付ける結果→過度なインフレ懸念が後退)、C好調な米10年債入札結果、D上記ABCを背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.37%から1.30%まで急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値110.32まで反落しました。

もっとも、売り一巡後に持ち直すと、E欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好の円売り(米ダウ平均株価は史上最高値を更新)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では110.42近辺まで持ち直す動きとなっております。

11日(水)のユーロドル相場は安値圏から持ち直す展開。@欧州圏に広がる新型コロナウイルスの感染拡大リスクや、A上記@に伴う欧州経済の先行き不透明感、B米長期金利上昇を背景としたドル高圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、3/31以来、約4ヵ月半ぶり安値となる1.1706まで下落しました。しかし、3/31に記録した年初来安値1.1703をバックに下げ渋ると、C米7月消費者物価指数の結果を受けたインフレ懸念の後退や、D米長期金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1753まで反発する場面も見られました。もっとも、買い一巡後は伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1739前後まで反落する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時110.81(7/7以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばしましたが、米インフレ懸念の後退や、米10年債入札の好調な結果を背景に、110.32まで反落する動きとなりました。チャート的にも、一目均衡表雲上限とボリンジャーバンド上限が重なる位置で上値を抑えられており、ここ数日で積み上げられたドルロング勢の利食い売りが昨日の下落の背景と考えられます。

とは言え、ファンダメンタルズ的に見ると、米当局者によるタカ派的な発言は継続しており、「8/26ー8/28のジャクソンホールでテーパリングへの地均し」→「9/21ー9/22のFOMCでテーパリング開始発表」のシナリオは崩れていません。事実、昨日もカンザスシティ連銀ジョージ総裁より「テーパリングを実行するタイミングが到来した」との発言が見られた他、ダラス連銀カプラン総裁からも「9月にテーパリングを発表し、10月から開始すべき」との見解が示されました。市場ではFRBが例えテーパリングを開始してもリスクアセットのクラッシュが発生しない楽観シナリオ(過剰流動性相場の逆流が発生しない)が織り込まれ始めており、米長期金利上昇に伴うドル高と、米株上昇に伴うリスク選好の円売りが並走する展開が予想されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は日本時間21時30分に予定されている米7月生産者物価指数や米新規失業保険申請件数に注目が集まります)。

本日の予想レンジ:110.00ー110.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約1ヵ月ぶり高値更新後に反落。過度なインフレ懸念が後退

ドル円日足

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