ドル/円はレンジ継続か、ISM指数に要注意
〇本日のドル円、109.60-80の20ポイントにも満たないレンジ取引でほぼ横ばい
〇日経平均株価が500円を超える上昇をたどるも為替市場への影響はなし
〇移動平均21日線が明確な下降を示す、週内に109円台突入がほぼ確実視
〇本日は米経済指標として、7月ISM製造業景況指数や同製造業PMIなどが発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.20
<< 東京市場の動き >>
週明け2日の東京市場はほぼ横這い。20ポイントにも満たないレンジ取引で、動意そのものも乏しかった。
先週末、米CDCがコロナについて、「『デルタ株』の場合にはワクチン接種後もウイルスを感染させる可能性がある」との分析を発表し話題に。また、米国務省はブリンケン長官が2日から始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連のオンライン会合に出席すると発表していた。
そうした状況下、ドル/円は109.65-70円で寄り付いたものの、狭いレンジ内での一進一退。一時、日経平均株価が500円を超える上昇をたどったものの、為替市場への影響はほとんどなし。109.60-80円といったレンジ取引を続け、16時現在では109.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「中国情勢」について。
前者は、米司法省が「北朝鮮タンカーを『瀬取り』、石油密輸で民事没収」したことを明らかにするなか、韓国当局は「北朝鮮の指令受けた活動家4人について捜査開始」したと発表している。そうしたなか、朝鮮中央通信は金総書記の妹、「金与正党副部長が米韓演習中止を要求した」と報じたものの、米国は国防総省報道官が「米韓演習は両国合意で実施される」などと述べ、北朝鮮の動きを意に介さない方針を示していた。今後の動きにも注目だ。
対して後者は、武漢市を省都とする中国湖北省の衛生当局が「1年ぶりに市中でコロナ感染者が確認された」と発表し思惑を呼ぶ。また別途、広東省にある台山原子力発電所の1号機で燃料棒の一部が破損、一時運転が停止したと公表されている。一方、それとは別に中国紙である環球時報は社説で「英は米軍のまねをするな」とした警告文を掲載、新華社通信は中国海警船が「北太平洋をパトロールへ」などと報じ、日本周辺を通過する公算についても言及していた。
<< 欧米市場の見通し >>
7月のドル/円は、月のはじめこそドルは年初来高値をトライする展開をたどったが、徐々に失速。月半ば以降は109.06-110.69円というレンジ取引をたどっている。相場は名実ともに8月入りしたが依然として方向性が乏しいままで、次なる動意が期待されている状況に変化はない。なお、週末に発表される米雇用統計が、そのトリガーを引くなどとする見方も取り沙汰されているようだ。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうした意味で、前述した米雇用統計がもっとも注視されていると言ってもよいわけだが、本日もISM製造業景況指数などいくつか興味深い指標が発表されるだけに、それらの内容には一応要注意。また、米国務長官も出席し、7日までオンライン形式で実施されるASEAN会議の行方も波乱要因として注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、前段でも指摘したようにドル/円はすでに3週間程度109.06-110.69円というレンジ取引。方向性は依然として乏しいが、移動平均では足もと90日線に絡む動きとなっているうえ、21日線が明確な下降を示し始めており、週内に109円台突入がほぼ確実視されている。そんな21日線に上値を阻まれれば、ドルは下押し機運が高まることになりかねない。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のISM製造業景況指数や同製造業PMIなどが発表されるほか、本日から始まるASEAN会議の行方にも注意。なお、カナダ市場は市民の日のため休場となるもようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.20円。110円前後が最初の抵抗で、その少し上には移動平均の21日線が位置している。ドルの上値を強く抑制しそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末に示現した109.37円をめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、割り込めば前回安値109.06円が視界内に。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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