ドル円、不冴な米ISM製造業景況指数を背景に約2週間ぶり安値圏へ下落
〇ドル円、ISM製造業景況指数の不冴えに一時109.08まで急反落小反発後も戻り鈍い
〇NYダウもプラス圏からマイナス圏に沈み、米10年債利回りは1.15%台へ低下
〇ユーロドル、欧州時間にかけ1.1897まで上昇するも株価軟調に転じ1.1865まで下落
〇ドル円、2週間ぶり安値圏へ沈み90日線、「雲」下限一時下抜けテクニカルの上値重い
〇一方で終値で「雲」下限回復し、7/19安値109.07は死守、上昇トレンドは継続中とみる
〇売り一巡後のドル円反発がメインシナリオ、本日の予想レンジ:108.90ー109.70
海外時間のレビュー
週明け2日のドル円相場は急反落。@欧米株および原油先物価格の軟調推移を背景としたリスク回避の円買い圧力(米ダウ平均株価がプラス圏からマイナス圏に沈んだ他、原油先物価格も一時4.5%急落→クロス円下落→ドル円連れ安)や、A米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.15%へ急低下)を背景としたドル売り圧力、B米7月ISM製造業景況指数(結果59.5、予想60.8、前回60.6)の不冴な結果、Cテクニカル的な地合いの弱さ(一目均衡表雲下限を一時的に下抜けたことで短期筋のストップSELLを誘発)が重石となり、米国時間にかけて、約2週間ぶり安値となる109.18(7/19以来)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では109.34近辺で推移しております。
週明け2日のユーロドル相場は上値の重い展開。@ユーロ圏7月製造業PMI改定値(結果62.8、予想62.6、前回62.6)が市場予想を上回ったことや、A米長期金利の急低下が支援材料となり、欧州時間にかけて、高値1.1897まで上昇しました。しかし、心理的節目1.1900や、先週末金曜日(7/30)に記録した約1ヵ月ぶり高値1.1910をバックに伸び悩むと、B欧米株および原油先物価格の下落を背景としたリスク回避のドル買い・円買い圧力や、C欧州債利回りの急低下(ドイツ30年債利回りは本年2月以来となる半年ぶり水準へ急低下)が重石となり、米国時間には、一時1.1865まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1871前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.18まで反落するなど、7/19以来、約2週間ぶり安値圏へと沈みました。この間、市場参加者に注目されていた90日移動平均線や一目均衡表雲下限を下抜けするなど、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、終値ベースで一目均衡表雲下限より上側に位置していることや、7/19に記録した直近安値109.07を死守できたこと等を踏まえると、上昇トレンドは継続中と判断できます(現在の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と判断)。
ファンダメンタルズ的に見ても、今週末に予定されている米雇用統計に向けて日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売りが再開する可能性が高いと考えられるため、当方では引き続き、売り一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします(事実、昨日はウォラーFRB理事より「向こう2回分の雇用統計が80万人ー100万人増加すれば、FRBは10月までに量的緩和措置の縮小に着手する可能性がある」とのタカ派的な発言が見られた他、ISM製造業景況指数についても、ヘッドラインこそ冴えない結果となったものの、内訳の雇用指数は6月の49.9から52.9へと持ち直すなど、今週末金曜日に発表される米雇用統計に向けて期待感が高まる滑り出し)。
本日の予想レンジ:108.90ー109.70
ドル円日足
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