方向感の無い中でドル円株価上昇
海外では過度のリスクオフが後退
本日の東京市場では今晩の英国中銀の金融政策と週末の雇用統計を控え様子見気分の強い中、方向感のない相場の動きに終始しました。
前日の海外市場では原油先物価格が反発、ADP雇用統計も予想よりよい数字が出てきたことなどで過度のリスクオフが後退しましたが、朝方はドル円が再び100円台に入り、日経平均も一時16,000円を割り込むなどなど本邦では必ずしも米株の上昇を追随する動きとはなりませんでした。しかし後場に入ると株価ドル円ともに反発、日経平均は171円高の16,254円で終了しています。
日銀岩田副総裁の発言、午前午後それぞれの報道で相場は右往左往
日本銀行の岩田副総裁は本日午前に横浜市で講演を行いましたが、その際にはポリシーミックスとヘリコプターマネーや財政ファイナンスは異なると説明した部分が強調されて報道されたこともあり、金融緩和後退の連想からドル売り株安となりました。
しかし、副総裁が午後に行った記者会見で、前回の次回日銀政策決定会合時に行われる「総括的な検証」について、早期2%物価目標達成のために今後どのような組み合わせが一番よいかを検証するのであり、緩和の手を緩めるということはありえないと発言、このところ市場に広がっていた「総括的な検証」により金融緩和が縮小されるのではないかとの憶測が払拭され、ドル円、株が買い戻された形です。
米景況感の先行きが市場の中心的なテーマになっている現在、雇用統計の発表のある金曜の夜までは方向感は出にくいものと思われますが、日銀への「総括的な検証」による金融緩和縮小懸念が後退したことはドル円、株価の下支え要因となりそうです。
英中銀の政策金利発表に注目
今晩は20:00に英国中銀より政策金利の発表があり。その後20:30からカーニー総裁の記者会見が予定されています。市場ではEU離脱の影響に対応するため、前回は為替への影響も考慮して見送った政策金利を0.25%引き下げて0.25%にすると見られていますが、政策金利が予想外の動きをした場合やEU離脱の影響で新たな情報が出てきた場合等には相場に波乱があることも考えられます。
また、米国では21:30に新規失業保険申請件数、23:00に製造業受注、耐久財受注等の発表があります。序盤の欧州株価指数先物は総じて堅調に推移しています。
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