トルコリラ円見通し 6月21日以降は三角持ち合い、トルコCPI発表後も動意薄い(21/7/7)

トルコリラ円の7月6日は12.83円から12.68円の取引レンジ。

トルコリラ円見通し 6月21日以降は三角持ち合い、トルコCPI発表後も動意薄い(21/7/7)

6月21日以降は三角持ち合い、トルコCPI発表後も動意薄い

〇トルコリラ円、6日は12.83から12.68のレンジ、ドル円の下落基調が続いていることで上値の重い展開に
〇対ドルは6日夕高値で8.61へ上昇、ドル高が再燃しユーロ等が反落しリラも失速、深夜に8.70へ下落
〇14日のトルコ中銀金融政策発表でインフレ見通しと利下げ姿勢にどうスタンスを示すのか注目
〇12.77以下で推移中は下向きとし12.65前後への下落を想定、また買戻しも入りやすいとみる
〇12.77超えから12.80台序盤への上昇を想定、12.82以上は反落注意

【概況】

トルコリラ円の7月6日は12.83円から12.68円の取引レンジ。
7月5日のトルコ6月物価上昇率の発表からいったん売られたものの売り圧力は限定的で対ドルでのトルコリラが小動きを続ける中、ドル円の下落基調が続いていることでトルコリラ円は上値の重い展開にとどまっている。

ドル/トルコリラの7月6日は8.70リラから8.61リラの取引レンジ。6月26日早朝に8.799リラへ下落して史上最安値を更新した後はややジリ高の推移となり、7月2日夜の米雇用統計後にドル安へ向かった流れが6日夕刻まで続いたために6日夕高値で8.61リラへ上昇したが、夕刻からはドル高が再燃してユーロやポンド、豪ドル等が反落したことでリラも失速となり6日深夜には8.70リラへ下落した。しかし6月29日の8.74リラから7月2日夜の8.72リラ、6日深夜の8.70リラと対ドルでの安値ライン(ドルからみての高値ライン)は徐々に切り上がっており、8.60リラ台序盤では売られるものの落ち着いた動きとなっている。

【三角持ち合いで様子見続くが上値は重い】

6月2日安値12.44円を6月21日安値12.48円で割り込まずにやや下げ渋り的な持ち合いに入っているが、6月23日高値12.89円と7月1日高値12.90円が上値抵抗となり、安値ラインは6月26日早朝の12.57円から6月30日の12.61円へやや切り上がっているため、上値抵抗線がほぼフラットで下値支持線がやや切り上がるレンジ縮小型の三角持ち合いの様相であり、円高に押されて下げた7月6日深夜安値も12.68円にとどまってこの下値支持線を今のところは維持している。

7月5日のトルコ6月物価上昇率はCPIの前年比が17.53%となり5月の16.59%を上回り、前月比も1.94%で5月の0.89%から上昇、PPIも前年比で42.89%という大幅な上昇となりインフレ進行も懸念すべき警戒水準に来ていることは基本的にリラ売り要因ではあるが、利下げを望むエルドアン大統領及びトルコ中銀が思い通りに当面は利下げできない状況にあることは利下げ不安によるリラ売りの手を落ち着かせる効果もある。
7月14日のトルコ中銀金融政策発表でインフレ見通しと先行きの利下げ姿勢に関してどのようなスタンスを示すのか、市場もそれを見てから利上げ催促的なリラ売り攻勢を仕掛けるのか、当面は利下げがないとみてリラ買い戻しの動きを優先させるのか、判断してゆくことになるのだろうと思われる。

【三角持ち合いからボックス型持ち合いへ移行?】

現状は上記のように三角持ち合いの様相だが、下値支持線に対してはさほど余裕がなく、6日深夜安値12.68円割れから続落に入る場合は支持線割れとなり三角持ち合いの起点となった6月21日安値12.48円をもう一度試しに向かう流れとなりやすいと思われる。
リラに対する市場の強弱感が様子見の状況であっても、ドル高の再燃感が強まるようだとドル高リラ安に押されやすくなり、米長期債利回り低下傾向や全般的なリスク回避感からドル円の下げ足が速まるようだと円高由来でトルコリラ円も安値試しへ向かいやすくなる。その際に6月21日安値割れを回避するか、若干割り込んでも6月2日安値12.44リラ割れには至らずに持ち直せば持ち合いが三角持ち合い型からボックス型持ち合いに様相を変えて7月14日のトルコ中銀金融政策発表とそれに対する反応待ちという状況になるのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月30日午前安値を起点とした上昇期入りとして7月2日朝から6日朝にかけての間への上昇を想定してきたが、7月2日午前時点では12.75円を割り込むところからは弱気サイクル入りとし、5日朝の下落で12.72円まで反落したために6日午前時点では2日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は7月5日午前から7日午前にかけての間と想定したが、5日夕安値ですでにボトムを付けて底割れからは新たな弱気サイクル入りとなる可能性もあるとした。
7月5日夕安値から6日夕へやや戻したものの6日深夜に一段安となっているので、底割れから新たな弱気サイクル入りしていると仮定して9日午後から13日夕にかけての間への下落を想定する。ただし6日夕高値を上抜き返す反騰となる場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りと改めて7日夕から9日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では7月6日夕高値からの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落している。その後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、突破できないうちは一時的に遅行スパンが好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とする。
60分足の相対力指数は6日深夜の下落で30ポイント台序盤へ低下した。相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行の気配は見られないので50ポイント台まで戻せないうちは一段安警戒とし、強気転換は50ポイント超えからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.65円を下値支持線、12.77円を上値抵抗線とする。
(2)12.77円以下での推移中は下向きとして12.65円前後への下落を想定する。12.65円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、下げ足が速まる場合は12.60円前後へ下値目途を引き下げる。また12.75円以下での推移なら8日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.77円超えからは12.80円台序盤への上昇を想定する。12.82円以上は反落注意とするが、12.77円を超えた後も12.75円以上を維持しての推移なら8日の日中は高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月8日
 20:30 週次 外貨準備高 7/2時点 (6/25時点 592.4億ドル)
7月9日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -17.12億ドル)
7月12日 
 16:00 5月 失業率 (4月 13.9%)
7月13日
 16:00 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -0.9%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 66.0%)
 16:00 5月 小売売上高 前月比 (4月 -6.3%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 41.7%)
7月14日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合


※ポイント要約は編集部

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