トルコリラ円見通し 対ドルでは横ばい推移だが、円高に押されて戻り高値を切り下げる(21/7/8)

トルコリラ円の7月7日は12.78円から12.67円の取引レンジ。

トルコリラ円見通し 対ドルでは横ばい推移だが、円高に押されて戻り高値を切り下げる(21/7/8)

対ドルでは横ばい推移だが、円高に押されて戻り高値を切り下げる

〇トルコリラ円、7/1の戻り高値12.90以降は円高に押され6日、7日と安値切り下げが続く
〇対ドルでは、8.60を超える上昇へは進めずに8.67リラを中心としてほぼ横ばいの推移
〇利上げ催促的なリラ売りと、インフレが収まらずに利下げはないとの楽観のリラ買いが交錯している状況
〇7/14のトルコ中銀金融政策発表までは動きづらい状況か
〇12.78以下での推移中は下向き、7日深夜安値12.67割れからは12.60前後への下落を想定
〇7日夕高値12.78超えからは12.80円前後への上昇を想定、12.80以上は反落注意

【概況】

トルコリラ円の7月7日は12.78円から12.67円の取引レンジ。
6月21日安値で12.48円まで下げたものの6月2日にエルドアン大統領の利下げ言及報道から急落した時の12.44円割れを回避して下げ渋りに入り、7月1日には高値で12.90円まで戻した後は円高に押される展開で7月6日夕、7日夕と切り下がり、その後の安値も切り下げが続いている。
7月7日は全般的なドル高のぶり返しでユーロドルが5月25日以降の安値を更新する一段安となったが、ドル/トルコリラは小動きを続け、ドル円が7日午前安値から夜にかけて戻したところではトルコリラ円もやや戻したもののドル円の戻りも続かなかったことで深夜へ失速し、8日午前序盤にかけても12.72円を挟んだ揉み合い程度にとどまっている。

ドル/トルコリラの7月7日は8.71リラから8.63リラの取引レンジ。
6月26日早朝安値8.799リラで史上最安値を更新した後は下げ一服からややジリ高の推移となったが、8.70リラ台では買われるものの8.60リラを超える上昇へは進めずに8.67リラを中心としてほぼ横ばいの推移となっている。
7月5日に発表されたトルコの6月物価上昇率が予想を超えて5月から加速したものの、インフレ進行による通貨安感と利上げ催促的なリラ売りの一方で、当面はインフレが収まらずに利下げはないとしてのリラ買いが交錯している状況にあり、7月14日のトルコ中銀金融政策発表でのスタンスを見定めたいという状況のようだ。また週次の外貨準備高が増加しているが、他国とのスワップ協定等による積み上げとみられ、正味の準備高としての現金は極めて低水準とされるものの見掛けの準備高拡大により通貨防衛力も多少は改善している可能性もあり、対ドルでのリラ安を抑えている印象もある。

【三角持ち合いからの一段安への懸念】

6月2日安値12.44円から6月11日高値13.21円へ戻した後は6月21日安値12.48円で底割れを回避、その後は12円台後半での持ち合いとなっているが、7月1日高値12.90円からはじわじわと戻り高値が切り下がり安値も7月5日、6日、7日と切り下がり気味の推移となっており、徐々に6月21日安値、さらに6月2日安値を試しにかかりやすい状況にあると思われる。
6月11日高値及び7月1日高値は52日移動平均まで戻したところで戻り売りにつかまっており、同線が右肩下がりの低下となっているため、両高値を結ぶラインを上値抵抗線とし、6月2日と6月21日の両安値を結ぶラインを下値支持線としてレンジ縮小型の三角持ち合いの様相と思われる。
持ち合いはトレンド継続中の速度調整的な動きであり、調整期を超えればトレンドの継続として下げ途中の三角持ち合いなら下放れへ進みやすいと思われ、三角形の角へ進んで煮詰まったところから一段安へ向かいやすくなると思われる。

2月16日高値15.26円と3月19日高値15.13円をダブル天井とした下落基調の継続で徐々に昨年11月6日に付けた史上最安値12.03円を目指す流れと思われるが、すでにドル/トルコリラでは史上最安値を更新しているため、円安によるかさ上げ効果で最安値更新を回避しているトルコリラ円もいずれは最安値更新へ向かうのではないかと思われるが、7月14日のトルコ中銀金融政策発表までは動きづらいかもしれない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月2日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして7月5日午前から7日午前にかけての間への下落を想定していたが、5日夕安値から6日夕へやや戻してから一段安したために7日午前時点では既に底割れから新たな弱気サイクル入りしているとみて9日午後から13日夕にかけての間への下落を想定した。7日夕へやや戻したものの7日深夜へ安値を更新しているので引き続きボトム形成中とみる。強気転換は7日夕高値12.78円超えからとし、その場合は9日午後から13日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では7月6日夕高値からの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、遅行スパンは8日早朝に実線と交錯したものの再び割り込んでおり、先行スパンにも届かずにいる。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、突破できないうちは一時的に遅行スパンが好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とする。
60分足の相対力指数は7日夕刻へやや戻したところで50ポイントをいったん超えたが維持できずに30ポイント台へ失速しているので20ポイント前後への低下を想定する。強気転換は50ポイント超えから続伸に入るところとし、50ポイント以下での推移中は一段安警戒とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月7日深夜安値12.67円を下値支持線、7日夕高値12.78円を上値抵抗線とする。
(2)12.78円以下での推移中は下向きとして12.67円割れからは12.60円前後への下落を想定する。12.60円以下は反騰注意とするが、12.70円以下での推移なら9日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.78円超えからは12.80円前後への上昇を想定する。12.80円以上は反落注意とするが、12.78円を超えた後も12.75円以上を維持しての推移なら9日の日中は高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月8日
 20:30 週次 外貨準備高 7/2時点 (6/25時点 592.4億ドル)
7月9日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -17.12億ドル)
7月12日 
 16:00 5月 失業率 (4月 13.9%)
7月13日
 16:00 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -0.9%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 66.0%)
 16:00 5月 小売売上高 前月比 (4月 -6.3%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 41.7%)
7月14日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合

※ポイント要約は編集部

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