米雇用統計前だが、ドル続伸を期待する声も(7/1夕)

1日の東京市場はドルが小じっかり。値幅そのものは20ポイント強といったところで決して大きくなかったが、一時111.25円程度まで値を上げ、連日の年初来高値更新となった。

米雇用統計前だが、ドル続伸を期待する声も(7/1夕)

米雇用統計前だが、ドル続伸を期待する声も

〇ドル円、111.05-10で寄り寄り付いた後に終盤にかけじり高となり111.25近くまで値を上げる
〇週末の米雇用統計にらみの様相で売買は手控えムードの中、買い遅れ筋によるドル買いが優勢に
〇ADP雇用統計が予想を上回る好数字、ダラス連銀総裁がテーパリングを早めることが望ましいと発言
〇米雇用統計に対する期待感が強まりさらなる上値トライとなるか注目
〇本日発表される米週間ベースの新規失業保険申請件数や6月ISM製造業景況指数などに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.80-111.70

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場はドルが小じっかり。値幅そのものは20ポイント強といったところで決して大きくなかったが、一時111.25円程度まで値を上げ、連日の年初来高値更新となった。

ドル/円は111.05-10円で寄り付いたものの、上値も重く冴えない。しばらくはレンジ取引をたどるも、終盤にかけてじり高となると、111.25円近くまで値を上げている。週末の米雇用統計にらみといった様相を呈し、売買の手控えムードも強いなか、買い遅れ筋によるドル買いが全般的に優勢だった。16時現在、ドル/円111.20円前後という日中高値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、週末に発表される米雇用統計の露払い役として注視されていたADP雇用統計が予想を上回る好数字に。また、それに続きダラス連銀総裁が「FRBは早めにテーパリングを開始することが望ましい」との考えを示したと報じられ、ドル買いの後押しとなった。その結果、前述したように対円では年初来高値を更新している。週末の米雇用統計に対する期待感がさらに高まった感もあり、さらなる上値トライとなるのか注目だ。

対して後者は、習国家主席は、中国共産党が開催した創立100年の記念式典で演説し、そのなかで「中国をGDP世界2位へと躍進させた」と自画自賛したうえ、「中国の特色ある社会主義だけがこの国を発展させる」などと礼賛している。また、それとは別に「台湾問題にも触れて「台湾問題の解決と祖国の完全統一実現は党の歴史的任務」、「外国からの圧迫は容認しない」といった文言も発していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の当稿では、ドル/円はレンジ取引ながら一時下限を割り込んだこともあり、下方向へのバイアスを考慮していたが、結果的に大外し。まったくの正反対、ドル高方向に値幅を広げる展開となった。レンジを上抜けたこともあり、ドルの続伸期待が強いことは間違いないものの、明日に米雇用統計の発表を控えていることで、それを前にしたポジション調整の動きにも一応注意しておきたい。

市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうしたなか、レポートしているように市場は明日発表の米雇用統計に対する関心が非常に高い。本日は、基本的にそれにらみといった様相を呈する公算が大きいものの、6月のISM製造業景況指数など重要とされる別の米経済指標が発表される予定で、そちらにも十分な注意を払いたい。また、感染拡大が再び取り沙汰されている新型コロナに絡むニュース、NYが2013年以来と言われる熱波に襲われ、エアコン使用増から「停電危機」が懸念されている状況などにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1週間強続いていたレンジ上限111.10円レベルを昨日欧米時間に上放れ。さらに本日東京でドルは続伸している。改めて指摘するまでもなく、昨年来の相場は「ダマシ」が非常に多いことは気掛かりだが、基本的なリスクは間違いなくドル高方向だ。昨年3月に記録した高値111.71円が次のターゲットとして意識、ドルの続伸が期待されている。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や6月のISM製造業景況指数などが発表される予定だ。「主役」は明日の米雇用統計となるものの、本日発表のISM指数なども注目度の高い指標だけに、その内容には注意を払いたい。やや楽観に傾斜し過ぎている感もあるだけに、失望を誘う内容なら一転して調整の動きの可能性もあるだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.70円。レンジ上限111.11円を超えたことで、次のターゲットは111.71円。若干遠くに感じるが、勢いを鑑みると意外に早い段階で到達しても不思議ではない。
対するドル安・円高方向は、レンジブレークをしたのち、一度も割り込んでいない111円レベルが目先のサポートか。ただしっかり割り込めば、前回安値110.42円が再び視界内に。

米雇用統計前だが、ドル続伸を期待する声も

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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