ドル円、約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。本日は米雇用統計がメインイベント(7/2朝)

1日(木)のドル円相場は急上昇。

ドル円、約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。本日は米雇用統計がメインイベント(7/2朝)

ドル円、約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。本日は米雇用統計がメインイベント

〇ドル円米国時間に一時1年3ヶ月ぶり高値111.64まで急伸
〇米主要株価指数の上昇や、新規失業保険申請件数の好調、米下院のインフラ投資法案の可決が背景
〇ユーロドル、ラガルドECB総裁の景気先行き悲観発言に欧州朝方に1.1838まで下落上値重い
〇ドル円テクニカルには週足から60分足まで全テナーに強い買いシグナル点灯ドル買い地合い
〇本日米雇用統計に注目、ポジティブサプライズ期待されるか
〇本日の予想レンジ:111.00ー112.20 

海外時間のレビュー

1日(木)のドル円相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて一時111.03まで下げ幅を広げるも、心理的節目111.00をバックに下げ渋ると、@前日の米6月ADP雇用統計後のドル買いの流れが再開したこと(米雇用統計の前哨戦として注目される米ADP雇用統計が力強い結果→週末の米雇用統計への期待感上昇→米早期テーパリング観測再燃→米ドル買いの波及経路)や、A米主要株価指数や原油先物価格の堅調な値動きを背景としたリスク選好の円売り圧力、B直近高値突破に伴う短期筋のロスカット、C米新規失業保険申請件数の良好な結果、D米下院による7150億ドル規模のインフラ投資計画法案の可決が支援材料となり、米国時間にかけて、約1年3ヵ月ぶり高値となる111.64まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時15分現在)では111.57近辺で推移しております。尚、昨日発表された米6月ISM製造業景況指数は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

1日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧州圏における新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染拡大懸念や、AラガルドECB総裁による「変異株の蔓延で欧州圏は景気回復の観点で不確実性に直面している」との悲観的な発言が重石となり、欧州時間朝方にかけて、4/5以来、約3ヵ月ぶり安値となる1.1838まで下落しました。その後は、Bドイツ連銀バイトマン総裁によるタカ派的な発言(ECBはインフレの上振れを容認すべきでない)を背景に一時持ち直す場面も見られましたが、C米早期テーパリング観測を背景とした米長期金利の上昇がドル買いを誘うと、引けにかけて再び反落し、本稿執筆時点(日本時間午前5時15分現在)では1.1846近辺での上値の重い展開が続いております。

本日の見通し

ドル円は一時111.64まで急伸するなど、昨年3/25以来、約1年3ヵ月ぶり高値圏へと上昇しました。上位足(週足・日足)から下位足(240分足・60分足)に至る全てのテナーで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーなど)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております。こうした中、本日は今週のメインイベントでもある米6月雇用時計(日本時間21時30分)に注目が集まります。前回・前々回は共にネガティブサプライズで米雇用統計後にドル円が急落する動きとなりましたが、今回はポジティブサプライズが期待されます(非農業部門雇用者数は予想70.0万人、失業率は予想5.7%)。

米雇用統計が市場予想を上回る力強い結果となった場合には、「インフレ上振れ+労働市場改善」の組み合わせが完成する為、「米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高」の波及経路を通じて、ドル円が一気に上昇するシナリオが想定されます(8月ジャクソンホールでテーパリングが宣言されるとの思惑)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(次のターゲットは昨年3/24に記録した高値111.72。同水準を突破できれば昨年2/20に記録した高値112.22が射程圏内に)。

本日の予想レンジ:111.00ー112.20

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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