ドル円 FRB議長の議会証言待ち、レンジ放れ期待も(6/22夕)

22日の東京市場はドルが小高い。レンジは狭いが、終盤にかけてドルの買戻しが目に付く展開だった。

ドル円 FRB議長の議会証言待ち、レンジ放れ期待も(6/22夕)

FRB議長の議会証言待ち、レンジ放れ期待も

〇ドル円、110.20-40のレンジをたどり終盤にかけやや上値を伸ばし110.50-55まで上昇
〇前日に一時1000円以上下落した日経平均株価がV字反発したことが材料視された
〇5月シカゴ連銀全米活動指数が予想を下回る内容に、NY連銀総裁は政策変更に不十分と述べる
〇本日行われるパウエルFRB議長の議会証言の内容に要注意、相場が荒れる可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.90-110.90

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドルが小高い。レンジは狭いが、終盤にかけてドルの買戻しが目に付く展開だった。

ドル/円は110.30-35円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。寄り付きを中心とした上下10ポイント、すなわち110.20-40円といったレンジ取引をたどるも、終盤にかけてやや上値を伸ばしている。110.50-55円まで上昇した。前日、ザラ場ベースで一時1000円以上も下落した日経平均株価がVの字型の反発。下げ幅の多くを取り戻したことなどが材料視されていたという。16時現在では110円半ばのドル高値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズ」と「仮想通貨の動き」について。
前者は、発表された5月のシカゴ連銀全米活動指数が予想を下回る内容となるなか、NY連銀総裁が「政策変更には不十分」と述べるなど、やや弱気なトーンが目に付いた。ただ、本22日に議会証言が行われるパウエルFRB議長は「インフレ率はここ数ヵ月で顕著に上昇している」という認識を示しており、市場では引き続き早期テーパリング観測が根強く感じられる。

対して後者は、ここ1ヵ月ほどはザックリ言って、米自動車大手テスラのマスクCEO発言ならび、中国政府の動きが相場の波乱要因となっているが、昨日は後者が代表格であるビットコイン相場を押し下げる要因となっていた。ドル換算ではおよそ2週間ぶりの安値を示現。具体的には、中国当局がビットコインのマイニング(採掘)に対する取り組みを強化すると発表、新たに四川省でもマイニングプロジェクトの閉鎖を命じたことが嫌気されたようだ。また、人民銀も国内銀行に対し、仮想通貨取引関連のサービスを提供しないよう指示したことを明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、ここ2-3ヵ月にみられる傾向なのだが、形成しているレンジを上抜けたのち、レベルを切り上げ新たなレンジを形成することが非常に多い。足もとの動きも、まさにそうした動きと思われ、実際にドルは過去1週間程度、109.70-110.80円といった1.1円ほどの新レンジにとどまっている。ともかく、目先は前記した1.1円レンジをめぐる攻防に要注意だ。

市場は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうしたなか、本日は先でも取り上げたようにパウエルFRB議長が議会証言を行う予定となっている。現行の金融政策やテーパリングについて、如何なる見解を示すのか、質疑応答を含めてかなり突っ込んだやり取りがなされるとの見方もある。いずれにしても、発言の内容如何で相場が荒れる展開をたどる可能性もあるだろう。また、米早期利上げ思惑もあり、振れ幅が大きく地合いが不安定となっている米株の動きにも注意を払いたいところだ。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円は新たなレンジを形成している感。実際、過去1週間程度は109.70-110.80円程度の値動きだ。相場のパターンからすると、そうしたレンジ取引がいましばらく続いても不思議はないが、材料的には前述したように注目のパウエル議会証言を控えていることもあり、保ち合い放れを期待する声も少なくない。ちなみに、抜けるとすれば上方向のリスクが幾分高い気もするが、果たして実際のところはどうだろうか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、5月の中古住宅販売件数や6月のリッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、パウエル氏の議会証言、サンフランシスコ連銀総裁裁などによる講演など米通貨当局者の発言機会も数多い。また米財務省による2年債の入札などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.90-110.90円。先週高値の110.82円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ年初来高値110.97円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線も近い昨日は安値109.72円が最初のサポート。ザラ場ももちろんだが、NYクローズベースでしっかり割り込むと大幅続落。安値109.18円が意識されかねない。

FRB議長の議会証言待ち、レンジ放れ期待も

ドル円日足


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