シカゴポジション(CME)287
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
尚、シカゴポジションは通常金曜日のNY時間夕方に更新されますが、前週末は未更新となり、本日更新の確認できました。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年6月15日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、オセアニア通貨が3週続けて米ドルロング増、円もドルロング増、ユーロは米ドルショート増になりました。豪ドルは目安となる10,000枚を大きく越えてきており、やっと豪ドル先安の相場観を持ったようです。NZドルはまだポジション調整の域を脱していません。NZドルも米ドルロングに切り替えてくると、暫くトレンド形成となりそうです。ドル円は前回締日翌日の9日以降に109円前半があり、そこで押し目買いしたと予想され、ロングを1万枚弱増やしています。まだドル先高観を維持しています。先週は締日以降の17日に110円82銭の高値あったので、ロングを維持したのか、手仕舞ったのか、今日の締日が注目されます。ここ数週間の動きでは110円台後半でロングを手仕舞いしているので、ドル先高観持ってもレンジ対応している可能性あります。ユーロは総枚数を大きく減らしてのユーロロング増でした。16日以降に大きくユーロが下落しているので、今日の締日は先々の相場観に重要となりそうです。
先週のシカゴは一段とポジション調整を進め、僅か3,200枚のロングのみとなりました。豪ドルの様なジションに切り替えていないので、まだNZドル高の余韻が残っている様です。先週は3,500枚のロング減、1,300枚のショート減で、ネット2,200枚のロング減となりました。総枚数は4,800枚も減らしているので、ほぼスクエアに近いと見ておいた方が良さそうです。豪ドルが今後ショートを積み増してくれば、NZドルも追随する可能性が高くなっています。もしここからNZドルの一段安を見ると、かなりの水準まで下落しそうです。チャートを見ると、赤いNZドル安トレンドライン内にあった黒のサポートを切りました。これで0.6890〜0.7240レンジの下限狙いになります。現在のスポットは心理的壁である0.70を割っているので、下値リスクが大きくなっています。
さて実際の相場は、0.7100〜20のサポート切ると、0.7000〜10方向トライとしましたが、そのサポートも切っています。先週金曜日に0.6923までの底値がありましたが、今年3月底値の0.6940のダブルボトムになっています。また2020年6月を起点としたサポートが丁度0.6920にあるので、今週以降はこの0.6920〜40ゾーンを守り切れるか否かをみることになります。もし、切れた場合は0.6800〜10、0.6760の2つのサポートを試す流れに入ります。上値は0.7010、0.7070に抵抗線があり、後者を越えて終われば、先週の0.6923が暫くの底値目途になります。シカゴが今日の締日を含めて、ショートに切り返してくるのか注目したいと思います。
(1NZドル=0.6980ドル、6月22日13:15)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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