ドル円、米長期金利上昇を横目に堅調な値動き。年初来高値更新も射程圏内
〇ドル円株式市場の堅調と米長期金利反発、指標好調等に米国時間にかけ110.79まで上昇
〇その後はパウエルFRB議長の予防的な利上げはないとの発言に小反落110.68レベルで推移
〇ユーロドル欧州朝方1.1881まで下落後株価堅調、パウエル議長のハト派発言で1.19台半ばに反発
〇ドル円テクニカルの地合い強くファンダメンタルズもドル円上昇材料多い
〇年初来高値110.97を試すシナリオも想定
〇本日の予想レンジ:110.30ー111.10
海外時間のレビュー
22日(火)のドル円相場は堅調な値動き。@株式市場の堅調推移(リスク回避の円買い後退→リスク選好の円売り再開)や、A米長期金利の急上昇(前日6/21に一時1.36%まで急低下した米10年債利回りが昨日は一時1.50%へ急上昇)、Bサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「年末もしくは来年初にテーパリング開始の準備が整う可能性がある」とのタカ派的な発言、C米5月中古住宅販売件数(結果580万件、予想572万件)および、D米6月リッチモンド連銀製造業指数(結果22、予想18)の力強い結果が支援材料となり、米国時間にかけて、6/17以来となる高値110.79まで上昇しました。
しかし、Eクリーブランド連銀メスター総裁による「FRBはテーパリングの条件をまだ満たしていない」とのハト派的な発言や、FパウエルFRB議長による「予防的な利上げはない」との慎重姿勢が重石となると、引けにかけて小反落し、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では110.68近辺で推移しております。
22日(火)のユーロドル相場は下落後に急反発。@欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買いが重石となり、欧州時間朝方にかけて、日通し安値1.1881まで下落しました。しかし、ボリンジャーバンド下限への接触がショートカバーを誘発すると、A株式市場の堅調推移(リスク回避の円買い・ドル買い後退→リスク選好の円売り・ドル売り再開)や、Bハンガリー中銀によるEU加盟国で初となる利上げサイクル開始(政策金利を0.60%から0.90%へ引き上げ)、Cクリーブランド連銀メスター総裁および、DパウエルFRB議長によるハト派的な発言が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1953まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では1.1941近辺で推移しております。尚、レーンECB専務理事は昨日、「ユーロ圏のインフレ率が異常に急騰するようなパラダイムシフトは想定していない」との見解を示しましたが、ユーロドルの反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は一時110.79まで上昇するなど、FOMC直後に記録した直近高値110.83に迫りました。強い買いシグナルを示唆する三役好転や、移動平均線のパーフェクトオーダー、ダウ理論における上昇トレンド継続(高値と安値の同時切り上げ)を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売りや、潜在的な過剰流動性相場逆流リスク(資産現金化需要のドル買い)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。こうした中、
本日は米6月製造業/非製造業PMI速報値や、米5月新築住宅販売件数、ボウマンFRB理事講演、アトランタ連銀ボスティック総裁講演、ボストン連銀ローゼングレン総裁講演、米5年債入札結果に注目が集まります。米経済指標が市場予想を上回る結果となった場合や、米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合には、昨日同様、米長期金利上昇→ドル高の経路で、ドル円が先週6/17に記録した直近高値110.83や、3/31に記録した年初来高値110.97を試すシナリオも想定される為、アップサイドリスクに引き続き警戒が必要でしょう(心理的節目111.00突破も射程圏内)。
本日の予想レンジ:110.30ー111.10
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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