米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策記者発表
(2021年6月15日・16日開催分)
昨日、FOMC議事要旨の記者公表がありました。ワクチン接種の拡大で経済見通しが一層改善しているとの見方ですが、それでもこれまでの緩和スタンスは暫く維持するとの内容です。次回FOMC会合は7月28日(水曜日)に予定されています。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
FRBはこの困難な時期に、米国経済を下支えするためにはあらゆる手段の手立てを使うことを約束する。それによって最大雇用と物価安定目標を促進していく。
ワクチン接種の進展により米国内でのCovid-19拡大は減じられた。この進展や強い政策サポートにより、経済活動や雇用を示す指標は強まった。パンデミックの影響により最も逆風を受けている部門はまだ弱いが、改善を見せてきた。インフレは、多くが一時的要因を反映しているが上昇した。全般的な金融情勢は依然として緩和的であり、経済を支える政策措置や家計・企業への信用供与の流れなどを反映している。
経済の道のりはウィルスの流れに著しく依存している。ワクチン接種の進展は経済において公共健康危害への影響を減じ続けるだろうが、先行き経済の見通しリスクとして残っている。
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%の達成が求められている。インフレ率がこの長期目標を下回り続けるなか、委員会はインフレが暫くの間2%を越え、その後平均2%のインフレと長期に亘るインフレ期待が2%に定着することを目標としている。委員会は、これらの成果が達成されるまで、金融政策の緩和スタンスを維持すると予想している。委員会はFFレートのレンジを0〜0.25%で維持することを決めた。それは、労働市場の情勢が最大雇用とインフレの評価と一致する水準に達し、かつインフレが2%まで上昇し、暫くの間は緩やかに2%を越える水準になるまで、目標レンジを維持することが適切である予想している。加えて、連邦準備制度は少なくとも毎月800億ドルの国債や少なくとも毎月400億ドルの不動産担保証券の保有増加を続ける。これは委員会の最大雇用と物価安定目標に向けて更なる進展がなされる迄である。これらの資産購入は円滑な市場機能や緩和的状況を促進するのに役立つ。そして家計や企業への信用供与の手助けにもなる。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対する入手情報の含みを精査続けることになる。委員会は目標達成の妨げになるリスクが起きた場合には、金融政策を適切に調整していく準備がある。委員会の査定は幅広い情報を考慮した上で行われる。この中には公衆衛生、労働市場、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展具合も含まれる。
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)FRB経済見通し
前回3月時予想よりFFレートが2回利上げ(赤字)予想に変更となっています。GDPとコアPCEは今年の伸びを上昇修正した以外はほとんどの項目で大きな変化はありませんでした。
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(3)ドットプロット
(議事要旨、経済見通し、ドットプロットの出所:FRB HP)
昨日はFOMCで将来の利上げを示唆した内容に米金利高・ドル買いになりました。現在は今週水曜日の米小売売上高時に添付したチャート内の1.1990の日足サポートで止まっています。下図はユーロドルの週足チャートです。2020年3月底値から引いたラインA(=1.1800)をサポートにし、そこから平行に上げたB(=1.2750)でユーロ高トレンドラインを形成しています。現在はそのユーロ高からの調整売りに、週足ではC(=1.1970)まで調整しています。もしこのCを切れるとA、次いでD(=1.1610)までの下押しになります。但し、Aを切るとトレンドライン割れですので、ユーロの下値リスクが一層大きくなります。一方、上値はE(=1.22700)の抵抗線が強くなっています。今週末でCを維持できるか否かがポイントになります。
(2021年6月17日11:00、1ユーロ=1.2000ドル)
オーダー/ポジション状況
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