ドル円FOMC後の急伸で110円台後半、米長期金利に連れ東京午前も上値伸ばす
17日午前の東京市場でドル円は一時上値を伸ばす展開。未明のFOMCでFRBの予期せぬタカ派傾向の強まりを受けて急伸した流れを受けて、ドル円は朝方110.70レベルで取引が始まりました。その後、東京時間に入ってからも米長期金利が上昇を続け、一時10年債利回りで1.59%をつけたことからドル円も110.82の高値をつけました。しかし昼前に長期金利が小緩みしたことから、東京時間正午現在は110.62レベルで取引されています。
日経平均株価は米国での金融緩和政策の縮小を懸念して米株価が下落した流れを受けて、売り優勢となり、384円安で午前の取引を終了しています。
海外市場で注目された未明のFOMCの結果公表では、予想通り政策に大きな変化はありませんでしたが、超過準備預金金利とリバースレポ金利がそれぞれ0.05%引き上げられました。また、声明文では前回4月の時に比べ、コロナ関連の表記が、ワクチン接種の進行が経済へのリスクを減少させているとの表現に変化。更に同時に発表された経済見通しではメンバーの2023年末のFEDレート予想の中央値が前回から0.5%上昇の0.625%となり市場に衝撃を与えました。
続くパウエル議長の記者会見でも、最近のインフレ率の上昇は一時的なものとしつつも、量的緩和の縮小について今回議論が行われたことを認め、FRBの目標へ前進すれば今後の会合で量的緩和の縮小の計画検討が適切とコメント、高インフレが長引く可能性についても言及するなど、慎重ながらも想定外のタカ派スタンスと言えるコメントが続きました。
これらを受けて、米10年物国債利回りは1.48%から1.58%まで急騰、海外時間に入ってポジション調整で109.90まで下落して中立化していたドル円も一時110.58まで急伸しました。
テクニカルにはドル円は未明の急上昇で5/3から引かれたレジスタンスラインを上抜けて、ドル買い地合いが強まっています。目先のターゲットは年初来高値110.97。そこを抜けると同じく5/3から引いた上昇チャネルの上限111.32レベルがターゲットとなります。
昨日東京時間にはFRBのタカ派姿勢を織り込む形で推移していたドル円でしたが、事前にポジション調整で109円台に下げていたところを、虚を突かれた形となりドル円は今年4/1以来の高値での取引です。
それにしても金利、声明文、ドットプロット、パウエル議長のすべてがタカ派する展開はさすがに誰も予想できなかったと思われ久々のサプライズとなりました。
現状ドル円は、米長期金利にピタリと寄り添う金利相場となっており、しばらくは各金融市場が落ち着きどころを探る米長期金利の動向を固唾を飲んで見守る構図が続きそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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