ドル円 米FOMCを注視、米露首脳会談にも要注意か(6/16夕)

16日の東京市場は横ばい推移。NY時間に予定されているFOMC待ちといった様相で、動意はほぼうかがえなかった。

ドル円 米FOMCを注視、米露首脳会談にも要注意か(6/16夕)

米FOMCを注視、米露首脳会談にも要注意か

〇ドル円、110.00-15と非常に狭いレンジ内の動きでこの後のFOMC待ちで積極的な売買見送られる
〇昨日発表された米経済指標の結果がどっちつかずの内容であまり材料視されず
〇ブルームバーグ「FRBはFOMCでテーパリングについて予備的な議論を始める可能性」と報じ一部で話題
〇FOMCやFRB議長の記者会見、米経済指標の発表など注目材料により月間高値110.33を超えるか注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.50-110.50

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は横ばい推移。NY時間に予定されているFOMC待ちといった様相で、動意はほぼうかがえなかった。

ドル/円は110.05-10円で寄り付いたものの、目立った動きなし。実際、110.00-15円といった非常に狭いレンジ内での値動きに。市場ではNY時間のFOMCを見極めたいとの向きが多く、積極的な売買は見送られていた。16時現在では寄り付きと同じ110.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外の通貨ペアも全般的に小動きだったが、夕方に掛けポンドが対円などで急伸。一時大きく買い進められていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズなど」と「中国情勢」について。
前者は、昨日発表された数多くの米経済指標が玉石混交。5月の鉱工業生産や同生産者物価は予想を上回ったものの、6月のNY連銀製造業景況指数や5月の小売売上高などは逆に予想を下回っている。そのため為替市場もどっちつかずの動きで、結果としてあまり材料視されなかった。なお、そうした環境下、ブルームバーグは「FRBは15-16日のFOMC会合で債券購入のテーパリングについて予備的な議論を始める可能性がある」と報じ、一部で話題となっていたようだ。

対して後者は、米紙WSJがコラムで指摘したように、「中国が共通の敵」という認識が奏功したのか、米国とEUによる17年もの長きにわたった航空機紛争が一時休戦を迎えている。そうしたなか、当の中国は前日米CNNが報じた「広東省台山原子力発電所の放射能漏れの可能性」について、「要件を満たしている。問題はない」と指摘。また、それとは別に声明で「中国脅威」説を取り上げたNATOに対し「中国の平和的発展に対する中傷」と強く非難したうえ、米国については「ウイグル問題などを言及したG7首脳宣言は中国を中傷し、内政に干渉するもの。米国は病気だ。その症状は軽くない」などと強烈なカウンターパンチを浴びせていた。

<< 欧米市場の見通し >>

足もとのドル/円は底堅い。結果として110円台割れをワンタッチする局面は、昨日欧米時間などに観測されたが、それでも大崩れには至らなかった。大きな意味では依然としてレンジ内ではあるものの、リスクとしては上方向にバイアスがかかりそう。このあとの欧米時間には注目材料が控えていることもあり、過去2週間程度のレンジ上限にあたる110.33円を超えていく展開を期待する声も聞かれた。

市場では、引き続き広義の米ファンダメンタルズと金融政策に注目。とくに本日は指摘しているようにFOMCにおいて米金融政策が発表される予定で、そちらを警戒する向きが非常に多い。ちなみに、政策金利については従来通りの据え置きが見込まれているものの、問題は先行きについて。たとえば、前回までの「2023年までゼロ金利を継続する」としていた文言が今回も維持されるのかどうかのほか、四半期に一度のFOMCメンバーによる経済見通し公表も注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.84円を上限とした目先の小レンジを先日上抜けたものの、上値の重い値動きで足もとは110ドル挟みの強保ち合いとなっている。敢えてリスクを指摘すれば上方向に高いとみられるだけに、110.33円という月間高値を超えていくことができるか否かを注視したい。超えた場合には、年初来高値110.97円が次のターゲット。
逆に上抜けが失敗に終わった場合には、過去2週間を超えるレンジの下限にあたる109.18円を目指す展開も。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、5月の住宅着工件数などいくつかの米経済指標が発表されるものの、やはりもっとも注視されている要因は米FOMCとパウエルFRB議長の記者会見か。また、それとは別に国際情勢として、米露首脳会談を警戒する声も一部で取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.50円。昨日のドル高値110.16円が最初の抵抗。上抜ければ前回高値でありレンジ上限の110.33円、さらには110.97円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、目先的なサポートとして寄与している感のある110円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込んでも109円台にサポートは多く、かなり底堅そうなイメージだ。

米FOMCを注視、米露首脳会談にも要注意か

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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