『心理的節目8.00円を突破し、約2年4ヶ月ぶり高値圏へ急伸』
〇南ア円、貿易収支の黒字拡大、商品価格の堅調、中銀利上げ観測等を背景に8.16まで急伸
〇強力なレジスタンス8.00を抜け2年4ヶ月ぶり高値を示現、テクニカルの地合い「極めて強い」
〇ファンダメンタルズも南アフリカ経済の回復期待強く、対米関係も改善する等サポート材料多い
〇南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30
今週のレビュー(5/31−6/4)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.97円で寄り付いた後、翌6/1に週間安値7.93円まで軟化しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@南ア4月貿易収支の黒字額拡大(結果+512億ZAR、予想+375億ZAR)や、Aコモディティ価格の堅調推移、B南ア5月製造業PMI(結果53.2、予想52.0)の良好な結果、C南ア中銀による利上げ観測、D心理的節目8.00円突破に伴う短期筋のストップBUY、E冴えない米雇用統計を受けた米早期テーパリング観測の後退(米長期金利低下→リスク選好ムード)が支援材料となり、週末にかけて、2019年2月6日以来、約2年4ヶ月ぶり高値となる8.16円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/5午前4時45分)においても、高値圏での推移が続いております。
来週の見通し(6/7−6/11)
南アランド円相場は、週後半にかけて約2年4ヶ月ぶり高値となる8.16円まで急伸しました。強力なレジスタンスとして警戒されていた心理的節目8.00円を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転(一目均衡表転換線の基準線上抜け+ローソク足の雲上限上抜け+遅行線の26日前のローソク足上抜けが全て揃う状態)や強気のパーフェクトオーダー(移動平均線が上から順番に短期線・中期線・長期線で並ぶ状態)、ダウ理論における上昇トレンド(昨年4月以降、約1年2ヵ月にわたって高値と安値を同時に切り上げる典型的な上昇トレンドが継続中)など、テクニカル的に見て、「地合いは極めて強い」と判断できます(目先は2019年2月1日に記録した高値8.24円を試すシナリオを想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の回復期待や、A南ア中銀による利上げ観測(直近で発表された南ア消費者物価指数、生産者物価指数が共に市場予想を上回る結果)、Bバイデン米政権による親アフリカ政策への安堵感、Cコモディティ価格の堅調推移など、南アランド円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は6/8に発表される南ア第1四半期GDPや、6/10の第1四半期経常収支に注目が集まりますが、このところ南アフリカランドは悪材料への耐久性が出てきていることから、市場予想を下回る結果となったとしても、南アランド円相場への影響は限定的と考えられます(事実今週は南アフリカにおけるロックダウンの再強化や、第1四半期失業率の悪化が示されましたが、南アランド円相場への影響は限定的となりました)。市場のリスクセンチメントを睨みながらも、南アランド円相場の堅調推移を想定いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30
注:ポイント要約は編集部
南ア円日足
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