豪州中銀議事の要旨
(出所:豪州中銀HPから)
本日、今月4日開催の金融政策議事録が公表されました。6日に付けでお届けした記者発表要旨にもありましたが、現行の金融政策についての見直しは7月6日(火曜日)会合で行う旨、記載されています。従いまして6月1日(火曜日)の会合は無風が予想されます。
議事要旨
(金融政策について)
政策の決定を考えるにあたり、メンバー達は世界経済がパンデミックからの回復が続き、その成長は2021年及びその後も強いものとなることを認めた。Covid-19ワクチンの接種ペースは世界経済反転上昇の下支えになるけれども、その回復はまだ凸凹しており、幾つかの国ではウィルスを抑制した。世界貿易は強い拡大を続けており、商品価格は2021年の年始よりは高くなった。実態経済はよりポジティブになっているものの、多くの国で賃金の伸びやインフレは低く、中銀目標以下である。
(国債の金利上昇やインフレ期待の高まりの項目は略)
豪州の経済回復は予想よりも強くなり、GDP成長の中央見通しを上方修正した。回復は雇用の伸びに顕著にみられる。失業率は現行の5.6%水準から下落が続くと期待される。
豪州内の強い経済活動の回復にも関わらず、賃金と価格上昇圧力は低いままである。最近のCPIデータから、インフレ圧力は経済のあらゆる分野で低いままである。インフレや賃金の伸びが上昇すると見込まれ、GDP上昇の予想もあるが、おそらくそれは緩やかなものになるだろう。メンバー達はインフレが目標以下に下がる前の6月末期、一時的に3%を越えるだろうと確認している。(以下一部略)
メンバー達は住宅市場が一段と強くなったことを確認した。価格はほとんど全ての市場で上昇した。住宅貸付の伸びも強くなった。これは初めて住宅購入する層の需要が強かったためである。強い住宅への需要、上昇する住宅価格、低金利などの環境にあるが、メンバー達は貸出基準を維持することの重要性や借入の傾向(トレンド)を注視することで合意した。
現状行っている金融政策の特定要素についての議論で、メンバー達は2021年7月の会合で、現行行っている3年国債のイールド目標値を2024年4月まで維持するか、次の満期…2024年11月に移行するかどうかを理事会で決めることを合意した。10ベーシスポイントの目標変更は保証されないことで合意した。また、7月会合で、理事会は、国債購入プログラムの下で実施している第2回1000億豪ドルの購入について、9月の完了後に続く
将来の債券購入についても考慮するだろう。理事会は中銀が目標としている完全雇用とインフレに向って、進捗状況をアシストすべきなら、更なる債券購入を喜んで行うだろう。将来の金融政策決定には、経済データの流れや豪州内の金融市場動向に細心の注意が払われるだろう。メンバー達は完全雇用への回帰が金融政策の優先事項であり、インフレ目標達成を手助けすることになるだろう。結果、金融政策は暫くの間、高度な緩和状態を維持することが必要である。
(現行の実施している政策の項目に関しては略)
理事会は、雇用とインフレ目標を達成するまで、豪州経済を支えし、そして高度な金融状況を維持するために、
合理的にやれるものを行うことを約束している。メンバー達はキャッシュレート目標を10ベーシスポイントに維持し、為替決済バランスの報償を暫くゼロにすることを確認した。理事会は実質インフレが持続的に目標としている2〜3%に入るまでキャッシュレートの引き上げはしない。そのためには、賃金の伸びが実質的に現行より上昇する必要があるだろう。これには雇用の著しい増加や、タイトな労働市場への回帰が求められるだろう。理事会はこれらの状況が早くても2024年までには起こらないだろうと見ている。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドルの相場は議事録公表後、ほとんど動いていません。下図は日足チャートです。A(=0.7700)とB(0.7900)あるいはB’(=0.7920)の豪ドル高トレンドラインを形成しており、Aの下限タッチ後の反発過程にいます。この間の横サポートC(=0.7820)が目先の上値目途になっています。
(2021年5月18日15時00分、1豪ドル=0.7785米ドル)
オーダー/ポジション状況
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A$シカゴポジション(2021年5月11日現在)
シカゴは豪ドルロングを僅かながら積み上げましたが、まだネットで2,400枚ですので、スクエアに近いポジションです。
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