ドルの下値機運が再燃、続落にも要注意(5/18夕)

18日の東京市場は、ドルが小安い。前日割り込めなかった109円割れを目指し再び接近するも、またもや割り込むことは出来なかった。

ドルの下値機運が再燃、続落にも要注意(5/18夕)

ドルの下値機運が再燃、続落にも要注意

〇本日のドル円、レンジ取引で一進一退の後、109.05レベルまで値を崩すなどドルが小安い展開
〇ドル円、ドル安トレンドが鮮明になるのか、それとも新レンジを形成するのか、次の一手に注目
〇21日移動平均ならびに前回安値108.34を下回れば、ドルの下値リスクが拡大か
〇本日は4月住宅着工件数発表予定、要人講演の予定もありこちらも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.50-109.50

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は、ドルが小安い。前日割り込めなかった109円割れを目指し再び接近するも、またもや割り込むことは出来なかった。

ドル/円は109.20円前後で寄り付いたのち、当初はレンジ取引。109.15-30円程度のボックス圏で一進一退をたどるも、底割れすると、夕方に掛けては日中安値である109.05円レベルまで値を崩している。ただ、前日割り込めなかった109円はまたもや割れず、16時現在そのままドルは安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、ドル/円は前記したようにドル安・円高で推移したが、クロスは逆に円安が目に付く。実際、ユーロ/円やカナダ/円は続伸、連日の年初来高値更新局面も観測されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、米国のクオモNY州知事が、疾病対策センターの新指針にもとづき「ワクチン接種完了なら公共空間でマスクは不要」との旨を表明するなど、欧米各国は感染拡大一服との見方が広がりつつあるようだ。そうしたなか、アジアでは依然として苦戦する先も多く、そのひとつ台湾について、中国が「ワクチン支援を表明した」として話題を呼んでいた。独立志向が強い台湾の蔡政権に対し揺さぶりをかけた、との見方が有力で、今後の動きが注視されている。
対して後者は、5月のNY連銀製造業景況指数が予想を上回る内容を示すなか、米要人からも強気な発言が複数聞かれていたようだ。たとえば、FRB副議長からは「今年の米成長率は7%に達する可能性がある」、ダラス連銀総裁「来年にはある程度の緩和が見られる、最初の利上げは2022年か」などとなる。本日以降も、引き続き発表される米経済指標や要人発言には要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週13日にレンジを上抜け一時110円台回復をうかがうも失敗。その後は再びドル安方向へとリスクを感じる展開となっている。問題はドルの一段安が進み、ドル安トレンドが鮮明になるのか、それともかつて形成していたレンジを上方向に若干拡大させた新レンジを形成するのか否かということ。個人的には後者のイメージなのだが、7日安値108.34円を下回った場合には前者の公算が高いと言えそうだ。
引き続き広義の米ファンダメンタルズが注視されており、それにともなう米経済指標および要人発言にも依然として注意を払いたい。また、米株も昨日の動きをみると、やや落ち着きを取り戻しつつあるようだが、果たしてどうか本日もしっかりと動静を見極めたいところだ。なお、そうしたなかここ最近は米中、あるいは米欧による貿易絡みの話題が数多く取り沙汰されるが、本日は「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」について初のオンライン会合が実施される予定となっている。一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、レンジの上抜けが失敗に終わったドル/円は次の一手に注目。前述したように、すなわち一転してドルは下値を試すのか、それとも新レンジを形成するのか大きく2つのシナリオが考えられている。108.80円前後で推移する移動平均の21日線ならびに、前回安値108.34円を下回ればドルの下値リスクが拡大することになるのだが、下方向のビッドも厚くなかなか底堅いとの見方もある。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、4月の住宅着工件数といった米経済指標が発表されるほか、アトランタ連銀総裁やダラス連銀総裁による講演も見込まれており、それらには注意を払いたい。また後者の要人講演については米国以外、欧州や英国についても複数の中銀関係者などが実施予定。欧州通貨への影響も気に掛かる。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.50-109.50円。ドルの上値はここ数日、連日切り下がっており、そうした意味で昨日高値109円半ばの攻防にまずは注目。上抜ければ先週高値の109.78円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する108.80円前後が目先のサポートとして注視されている。下回った場合には108.34円がターゲットに。

ドルの下値機運が再燃、続落にも要注意

ドル円日足


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