米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について
(東京時間では2021年4月29日木曜日夜中未明)
NY時間4月28日14時(水曜日)にFOMC会合の記者会見発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。
(1) 政策金利(4月28日 9時00分現在の予想)
現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(エコノミストレンジは0.00〜0.25%で全員据え置き予想)
前回会合(3月中旬)時は政策金利や債券購入など全て据え置き、ドットプロットで2022年中の利上げが4名となり、2020年末会合時の同年1名から増えただけに留まりました。また先行き経済は上方修正しました。3月会合後、相次ぐ好調な米経済指標に3月31日に110円97銭の高値を付けました。その後、FFレートをゼロ付近で暫く据え置くことを決めたことで、中長期金利が利益確定の債券買い戻しに軟化し、ドル高からの調整となりました。今回の予想は全て据え置き。かつドットプロットや経済見通しなどの公表はありませんので、議事内容の記者発表内の経済見通しに関する変更点があるか、パウエルFRB議長の記者会見の内容次第になります。
今回の注目点として
@景気回復が予想を上回る中、従来のインフレ見通しを踏襲するのか、上方修正するのか。
A債券購入額の減額(テーパリング)についての条件を議論したのか、あるいは示唆するか。一部エコノミストは年後半にテーパリング条件を提示し、2022年開始と予想しています。
B短期金利上昇を抑えるべく、FFレートをゼロ近くに据え置く具体的方策を打ち出すか、放置するか。
また、明日(29日)第1四半期GDP速報値が公表さる予定で、今日現在では前期比年率+6.9%(2020年4Qは+4.3%)程度が予想されています。下記にあるFRB委員コメント内には2021年GDPが6%前後になると予想しているものの、今後の経済指標次第で経済が一段と加速してくると中長期金利への影響は避けられないと思います。
CME Fedwatchでは2021年6月会合で0.25%利上げが10.3%、0.5%利上げが0.2%に増えています。9月、11月会合では変わらず、12月では0.25%利上げが13.8%、0.5%利上げが0.7%になっています。
ご参考まで3月会合時のFRB経済見通を添付します。この見通しよりも一段と上向き内容に変わったのかを見ておきたいと思います。
(2)最近のFRB関係者の主な発言(最近2週間分程度)
4月17日
カプラン・ダラス連銀総裁「失業率は年末までに4%に戻ると予想している」
4月16日
ウィラー・FRB理事「今年は2.5%のインフレを予想している」「一時的なインフレ急上昇は続かない」
4月16日
デーリー・SF連銀総裁「インフレや雇用は目標まで届いていない」
4月15日
ウィリアムズ・NY連銀総裁「インフレは暫くボラタイルだが、2%近くで落ち着くだろう」
4月15日
パウエルFRB議長「量的緩和の縮小は利上げのかなり前となる可能性」「2%をやや上回るインフレを求めている」
4月14日
カプラン・ダラス連銀総裁「今年10年債金利が上昇するのは理解できる」
4月14日
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁「2021年のGDPは5〜6%になると予想」
4月13日
ローゼングレン・ボストン連銀総裁「現在の非常に緩和的な金融政策のスタンスは適切」「労働市場の緩みは依然として大きい」
4月13日
ブラード・セントルイス連銀総裁「2021年のGDPは6.5%を予想」
4月12日
パウエルFRB議長「経済が完全に回復するまで支援を行う」
4月9日
パウエルFRB議長「条件が満たされる前の利上げはない」「FRBは見通しよりも結果志向」
4月9日
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁「インフレ上昇は一時的と予想」
2021年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、
マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、
チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー
ドル円の日足チャートです。ラインA(=112円60銭)を下抜いてからB(=109円20銭)の抵抗線に沿ってドルが下落していましたが、年始底値からのC(=107円60銭)にサポートされ、それを平行に上げたD(=109円60銭)のドル高トレンドライン内に戻っています。昨日は大きな陽線がでて、今日はドルが堅調になっています。当面はBとDの順にある抵抗線狙いになりそうです。Dを上抜けると前回高値111円手前のダブルトップ方向が見えてきます。一方、Cを切ると、短期のドル高の流れが怪しくなります。尚、月足は3月の陽線幅4円60銭の半値が108円67銭になっています。金曜日に月足ができます。
今日のFOMC、あるいは明日のGDPで方向性が出るかもしれません。
(2021年4月28日9:55、1ドル=108円88銭)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.04.28
ドル円見通し 米長期債利回り上昇とFOMC前の買い戻しで3月31日以降の下降トレンドから脱却(21/4/28)
27日の日中へ続伸した段階で4月6日夜高値と9日夜及び13日午後の戻り高値を結んだ下降トレンドの抵抗線を突破した。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。