ドル安傾向だが、依然底堅いイメージも(4/21夕)

21日の東京市場はドルが小安い。再び108円を割り込み、直近安値を更新したものの、下値追いも続かなかった。

ドル安傾向だが、依然底堅いイメージも(4/21夕)

ドル円、ドル安傾向だが、依然底堅いイメージも

〇ドル円、108.00-15のレンジ取引を辿ったのち底割れると107.85-90へと値を崩し直近安値更新へ
〇露がウクライナ周辺に軍部隊を集結、欧米諸国に対し対露制裁の発動を呼びかける、続報に注意
〇新型コロナ感染拡大、日本では緊急事態宣言が再発令の見通し、フランス全土で学校閉鎖や厳しい措置も
〇米20年債入札や米企業決算の発表、欧州情勢に注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ107.50-108.40

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドルが小安い。再び108円を割り込み、直近安値を更新したものの、下値追いも続かなかった。

ドル/円は108.10円前後で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。108.00-15円といったレンジ取引をたどるも、底割れると107.85-90円へと値を崩し、連日の直近安値更新となった。しかし、ドルは続落することなく、その後は108円挟みの揉み合いに。16時現在では108.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、本日別途目に付いたのは豪ドルの弱さ。前日からの流れを継ぎ、対円やドルで続落。非常に緩やかな右肩下がりをたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「気候サミット」と「露・ウクライナ情勢」について。
前者は、バイデン米大統領が主催し22-23日に開催される気候変動サミット、オンライン形式だが招待した首脳40人すべてがほぼ出席するとあって話題に。すなわち、米国との関係悪化が取り沙汰される中国の習国家主席やロシアのプーチン大統領なども参加する、と正式に発表されていた。また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も参加、23日に講演を行う予定だという。
対して後者は、米紙WSJが最新の衛星写真をもとに、「ロシアがウクライナ周辺に戦闘機をこれまで以上に移動させている」と報道。そうしたなか、ウクライナのクレバ外相は記者会見で、ロシアがウクライナとの国境付近に集結させている軍部隊は近く12万人を超えるとの見方を示したうえで、欧米諸国に対し対ロシア制裁の発動を呼び掛けていた。いずれにしても、状況が悪化していることは間違いないようだ。続報には要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日の直近安値更新。ただ、前日安値を下回ったといっても、わずか10銭程度にとどまるなど、依然ドル安の進行は鈍い。指摘しているように、年初来安値102.60円を起点としたフィボナッチ38.2%戻しは107.75-80円で、同レベルが次のターゲット。本日東京では近いレベルで下げ止まっているものの、このあとしっかり割り込めば、今度こそドル安・円高が加速する展開も期待されていた。

材料的には、いくつか気になる要因があるものの、もっとも注意すべきは世界的に感染拡大が取り沙汰されている新型コロナの状況か。日本も緊急事態宣言の再発令が秒読みに入るなか、海外ではたとえばフランスが先行して全土で学校閉鎖に動くなど、かなり厳しい措置を講じている先も少なくない。そうしたなか、昨日もEMAという欧州当局が「恩恵はリスクを上回る」と言明しつつも、希少な血栓症例と米J&J製ワクチンの関係があるとの発表がなされていた。新型コロナをめぐる混乱はまだしばらく続きそうで、関連ニュースなどには引き続き要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日の直近安値更新だが、思いのほか下値も堅い印象。実際、安値更新といっても前日安値を10銭程度下回ったに過ぎない。そんなドル/円は気が付くと107.75-80円というフィボナッチサポートが視界内に捉えられている。
また一目均衡表では、遥か下方に位置すると目された先行帯の雲の上限が足もと107円半ばレベルまで達しており、明日以降さらに上昇する見込み。一連過程の中で下回ってくるのか否か攻防がまずは注視されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、引き続き米経済指標でとくに注目されるものは予定されていないが、米財務省による20年債入札や米企業決算の発表などには引き続き注意を払いたい。また、それ以外では欧州情勢。本日東京時間、「貿易相解任」との報道が観測されるなど、ゴタゴタ続きのトルコ情勢も気掛かり。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.50-108.40円。本日東京高値である108.15円レベルが最初の抵抗。超えてくれば昨日高値の108.54円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の107.85-90円がサポートとして意識されている。割り込めば107.75-80円や、107円半ばなどが視界内。

ドル円、ドル安傾向だが、依然底堅いイメージも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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