ドル円、上値の重い展開が継続。カナダ中銀はテーパリング方針を発表
〇ドル円108円台前半で上値重く海外終盤には108.08近辺で推移
〇ユーロドル米国時間朝方に1.1998まで下げるも買い戻され、1.20台前半で推移
〇カナダ中銀がテーパリング方針を示しカナダドル急騰
〇ドル円日足の遅行線がローソク足下抜け、転換線と基準線がデッドクロスする等テクニカルな弱さ目立つ
〇ファンダメンタルズもダウンサイドリスクを意識させる材料増える
〇ドル円軟調がメインシナリオ、本日ECB理事会要注視
〇本日の予想レンジ:107.60ー108.40
海外時間のレビュー
21日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@米長期金利低下に伴うドル売り圧力や、A株式市場の軟調推移を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、日本時間朝方にかけて、約1ヶ月半ぶり安値となる107.88まで下落しました。しかし、3/5に記録した直近安値107.82や、一目均衡表雲上限107.74をバックに下げ渋ると、欧州時間朝方にかけて、一時108.29まで反発する場面も見られました(ポジション調整主導)。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、B新型コロナウイルスの感染拡大懸念や、C米中・米露対立懸念、D米10年債利回りの低下(一時1.55%)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時20分現在)では、108.08近辺まで値を下げる展開となっております。
21日(水)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@新型コロナウイルスの感染拡大や、A欧州経済の先行き不透明感を背景に、米国時間朝方にかけて、安値1.1998まで下落しました。しかし、心理的節目1.2000近辺では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、BECB理事会(本日20時45分)を控えたポジション調整(金融緩和スタンス後退の思惑。4/14にフランス中銀ビルロワドガロー総裁がPEPP終了の可能性を滲ませたことが背景)や、C米長期金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて一時1.2039まで反発する場面も見られました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時20分現在)では、1.2034近辺で推移しております。
尚、昨日はカナダ中銀が量的緩和の縮小方針=テーパリング方針(債券買い入れプログラムをこれまでの週40億CADから週30億CADに減額すると共に、低金利維持の前提となるスラック解消時期をこれまでの2023年から2022年後半に前倒し)を示したことで、カナダドルが対主要通貨で大きく値を上げる展開となっております。
本日の見通し
ドル円は一時107.88まで下げ幅を広げるなど、上値の重い展開が続いております。日足ベースで遅行線のローソク足下抜け、転換線と基準線のデッドクロスが実現した他、240分足で売りシグナルが点灯するなど、テクニカル的な弱さが確認されます(目先は3/5安値107.82や、一目均衡表雲上限107.77を試すシナリオを想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、新型コロナウイルスの感染拡大や、米中・米露対立リスク、米長期金利の低下、リスク回避ムードの再燃リスクなど、ダウンサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります(カナダ中銀がテーパリング方針を具体的に示したことで、過剰流動性相場の逆流が市場のテーマとなる可能性あり)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(本日はECB理事会やラガルド総裁記者会見、米新規失業保険申請件数、米3月中古住宅販売件数、米3月景気先行指数に注目。カナダ中銀に続いて万が一ECBがテーパリング方針を示した場合、株式市場の下落を通じてクロス円売り→ドル円連れ安の波及経路が強まる恐れもあり注意が必要)。
本日の予想レンジ:107.60ー108.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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