休場多くレンジ継続か、動意は明日からか
〇ドル円、先週末に続き本日も休場多く110.50-75での一進一退
〇イラン政府高官筋が「対米協議は一切行わない」と間接協議報道を完全否定
〇中国の王国務委員兼外相が韓国の鄭外相と福建省アモイで会談
〇足もとのレンジを上抜けした場合には111円台乗せ、111.70を目指したドル高進行に
〇底割れすれば110円割れ、さらに109円前半に位置する移動平均21日線がターゲット
〇本日は3月ISM非製造業総合指数や2月製造業受注指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.30-111.00
<< 東京市場の動き >>
週明け5日の東京市場はレンジ取引。イースターマンデーで休場となっている市場も多く、引き続き商いは閑散だった。
先週末、日米韓高官が3者協議を行い「対北朝鮮での連携強化」で一致したことを明らかにするなか、EUやイランなどが核合意をめぐる対面式会合を6日に開催。そこに米国自身も参加し、復帰問題を協議することが改めて示されている。
そうした状況下、ドル/円は110.60円前後で寄り付いたものの、先週末に続き本日も休場の先が多く売買は手控えられた。中国や香港、豪州などが休場で市場参加者も限られていたようだ。110.50-75円といったなかでの一進一退。方向性の乏しいまま、16時現在では110.60-65円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「中国情勢」について。
前者は、前述した「米復帰をめぐる核合意協議」を6日に開催するとEUなどが発表。仲介役であるEUが米国と個別に折衝するという。そのなかで、犬猿の仲である米国とイランが「仲介役を挟んだ」恰好ではあるものの、間接協議に応じる可能性が報じられていた。ただ、イランの国際通信は、同国政府高官筋が「直接あるいは仲介者を通してのどちらの形であろうと、対米協議は一切行わない」などと前述した一部報道を完全否定したと、別途指摘している。
対して後者は、フィリピン軍が領有権を争う南沙諸島で、「中国によるとみられる『違法な建造物』を確認」と発表。また、沖縄県の尖閣諸島沖では、実に26時間にもわたり中国海警局の船が領海侵入したことが明らかになっている。アジアのそこここで領土問題などをめぐる小競り合いが続く。一方、中国の王国務委員兼外相は韓国の鄭外相と福建省アモイで会談。対中包囲網の切り崩し、韓国を仲間に引き入れる動きに動いていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、先週31日に戻り高値110.97円まで上昇したのち、ドルがやや上げ渋りの様相。ただ、以降本日までドルの下値も110.37円までと非常に底堅い。つまり、足もとは110.37-97円という60ポイントレンジを形成していることになるわけで、価格ではなく時間的な調整局面に入っている可能性もある。いずれにしても、そんなレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性に注目だ。
先週末イースターの流れを継ぎ、本日もイースターマンデーで休場となる先は少なくない。NYやカナダ市場はオープンするが、英国や欧州の主要市場は休場となる。そのため、本日も基本的には動きにくい状況が続きそうで、ドル/円で言えば前述した110.37-97円という60ポイントレンジの変動が続く展開も否定できない。ただ、先週末に発表された3月の米雇用統計が良好な内容を示すなか、本日もいくつかの重要な米指標が発表される見込みだ。その内容には注意を払いたい。また、それとは別に英首相のテレビ演説を注視している向きも少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、大きな流れは依然としてドル高方向にバイアスがかかるも、短期的にはドル高の調整局面か。ただし、調整といっても価格ではなく時間調整の様相だ。本日だけに限れば狭いレンジ取引が続く公算が大きいものの、問題は次の一手。足もとのレンジを上抜けした場合には111円台乗せ、111.70円を目指したドル高進行が予想される反面、底割れすれば110円割れ、さらには109円前半に位置する移動平均の21日線がターゲットとなりそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月のISM非製造業総合指数や2月の製造業受注指数といった米経済指標が発表される予定。先週末の3月雇用統計が良好だっただけに、本日の指標に対する期待感も高いものがありそうだが、果たして続く内容となるのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.30-111.00円。上方向は、直近のドル高値である110.97円をめぐる攻防にまずは注目。それを超えると当然111円台乗せは必須だろう。
対するドル安・円高方向は、先週末に示現した110.37円がサポートとして意識されている。ただ、割り込んでも買い遅れ筋によるビッドが厚く、短期的には110円割れがあっても精々か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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