ドル円、ポジション調整主導で急反落。一時110.00を割り込む場面も
〇ドル円リスク選好のドル売り、ポジション調整に急反落、一時109.96をつける
〇ユーロドル米長期金利低下に1.1820に急伸、1.18台で推移
〇ドル円111円トライ4営業日失敗、上値の重さ印象付けるも地合いは依然強い
〇上昇トレンド中の一時的押し目か
〇ファンダメンタルズもドルサポート材料多く、一巡後は上昇基調に戻るか
〇本日の予想レンジ:109.90ー110.70
海外時間のレビュー
週明け5日(月)の外国為替市場でドル円は急反落。アジア時間朝方にかけて、日通し高値110.72を記録するも、3/31に記録した直近高値110.97や、節目111.00をバックに伸び悩むと、米主要株価指数の上昇を受けたリスク選好のドル売り(米ダウ平均株価やS&P500種指数は史上最高値を更新)や、米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは一時1.70%まで低下)、ここ数週間急ピッチで進んだドル高・円安のポジション調整(短期筋の見切り売りや失望売り)が重石となり、米国時間には心理的節目110.00を割り込み、一時109.96まで下落しました。もっとも、売り一巡後は持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、110.20近辺で推移しております。尚、昨日発表された米3月ISM非製造業景況指数(結果63.7、予想58.5、前回55.3)は力強い結果(1997年以来の高水準)となりましたが、市場の反応は限られました。
週明け5日(月)の外国為替市場でユーロドルは急反発(イースターマンデーでドイツやフランスなど欧州主要国は休場)。欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大(欧州経済の先行き不透明感)を背景に、欧州時間にかけて、一時1.1738まで下げ幅を広げるも、3/31に記録した約5ヶ月ぶり安値1.1703をバックに下げ渋ると、米長期金利の低下を受けたドル売り圧力や、米主要株価指数の上昇を受けたリスク選好のドル売り圧力、短期筋のショートカバー(ドルロングの巻き戻し+ユーロショートの巻き戻し)が支援材料となり、米国時間にかけて、日通し高値1.1820まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1810近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は3/31に記録した高値110.97をバックに伸び悩むと、昨日はポジション調整主導で一時109.96まで急落しました。節目111.00トライが失敗に終わったこと(4営業日連続でトライするも結局上抜け失敗)から、やや上値の重さを印象付けるチャート形状となっております。但し、強い買いシグナルを示唆する三役好転が続いていること、向こう数日以内の90日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロスが確実視されていること(成立すれば強気のパーフェクトオーダー完成)等を考慮すれば、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(現在は上昇トレンドの途中で見られる一時的な押し目と認識)。
ファンダメンタルズ的に見ても、米政府によるインフラ投資計画を通じて米長期金利上昇→ドル高の波及経路が連想されること(以下3つの波及経路を想定。@米景気回復期待→米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→ドル高、A国債増発懸念→米長期金利上昇→ドル高、B増税+米長期金利上昇→米主要株価指数反落→リスク回避のドル高)等から、ドル円相場は一巡後に上昇基調に戻る可能性が高いと考えられます(イエレン米財務長官は昨日、世界最低法人税制度の導入を推奨し、各国に法人税率の引き下げ競争をやめるよう訴えた→世界的な法人税引き下げ競争の後退→株式市場の重石)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(110.00に並んでいた大量のストップオーダーがついたことで、市場のドル円ロングポジションが幾分軽くなり、上昇し易くなった可能性あり)。
本日の予想レンジ:109.90ー110.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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