円全面安継続か、ドル/円は107円台も
〇ドル円、緩やかな右肩上がりの推移、夕方に106.90レベルまで上昇し前日高値に迫る局面も
〇為替市場での円全面安の流れ止まらず、クロスを含めた円全面安ならいわゆる日本売りか
〇コロナワクチン接種で後れを取るなど世界の潮流から取り残される懸念、事実なら円売りは長引く可能性
〇金融市場全般では米国経済への楽観論の見方が多くNYダウや米株、金利の動きに出ている
〇本日発表の米2月ADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数などの経済指標に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ106.50-107.40
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場はドルが強含み。前日高値106.95円は超えられなかったが、それでも終日を通して106円台後半。ドルは高原推移をたどっていた。
ドル/円は寄り付いた106.65円レベルを日中安値にドルが小高い。値幅は小さく、30ポイントにも満たなかったが、それでも緩やかな右肩上がりの推移となった。夕方には106.90円レベルまで上昇し、前日記録した戻り高値に迫る局面も。16時現在でもドルは高値圏をキープ、106.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ関連」と「米経済情勢」ついて。
前者は、新型コロナの感染拡大がやや落ち着きを取り戻すなか、日独は依然として厳しい措置を継続するもようだ。実際、ドイツは「ロックダウンを28日まで延長する方針」とされるほか、日本も「東京など首都圏の1都3県、緊急事態宣言の2週間延長要請を求める考え」などと報じられていた。日本についてはワクチン接種の遅れがそもそも致命的であり、米国のテキサス州知事が「10日からの商業活動全面再開認める知事令にサイン」したほか、バイデン米大統領が会見で「5月末までに全成人分のワクチン確保へ」と宣言したこととは対照的な結果となっている。
対して後者は、ロイターによると、1.9兆ドルにも達するコロナ追加対策法案の審議が「早ければ3日にも再開する見通し」と報じられていた。また、米ホワイトハウスによると「バイデン氏が4日に下院議員とインフラに関して協議を行う」うえ、5日には「経済について発言する予定」だという。それらでポジティブな内容が続くようなら、米株や金利そして為替市場においても、さらなるドル高の支援要因となりかねない。
<< 欧米市場の見通し >>
為替市場における円全面安の流れが止まらない。ドル/円の上昇については、「米金利の上昇」といった米国ファクターも取り沙汰されるが、ユーロ/円などクロスを含めた「円全面安」となると、それとは異なる要因も考える必要がありそうだ。一部では、いわゆる「日本売り」。前述したようにコロナのワクチン接種で遅れをとるなど、世界の潮流から取り残される懸念が嫌気されているとの指摘も聞かれるが果たして如何に。事実とすれば、円売りは一過性のものではなく、かなり長い間続く可能性もある。
一方、金融市場全般を見た場合には、米国経済への楽観論ともいうべき見方が多く、それがNYダウをはじめとする米株や金利の動きにも示されている感を否めない。そうした意味では、前段で取り上げた早ければ3日から審議再開と言われるコロナ追加対策法案をめぐる動きや、発表される米経済指標などに要注意。後者については、週末の2月米雇用統計前に発表される同ADP雇用統計に注目する向きが少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は106円台後半での高原推移をたどるも、107円には依然としてとどかず。昨日は106.95円、そして本日東京でも106.90円レベルでドルは上げ渋っている。昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しが107.05-10円にあたることもあり、107円前後をめぐる攻防はこのあとも引き続き要注意。しっかり抜ければ107円半ば、108円台前半などがターゲットに。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。また、それとは別にフィラデルフィア連銀総裁やシカゴ連銀総裁による講演にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.50-107.40円。上方向は、昨日の戻り高値を含めた107円前後の攻防に注目。超えれば107円半ばが次のターゲットとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日そして本日もドルが下げ止まっている106.65円レベルが最初のサポートに。ただ、下回っても106.20円レベルに次のサポートが位置するなど、下値は引き続き堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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