ドル円、心理的節目107.00を突破。一時7カ月半ぶり高値圏へ
〇ドル円米追加経済対策法案上院通過期待、米長期金利上昇、米PMI改善で107.15まで上昇
〇その後はISM非製造業景況指数等不冴えで107円割れへ反落
〇ユーロドルECB関係者の債券利回り上昇許容発言に一時1.2113まで上昇
〇その後は米長期金利上昇、ECB副総裁のハト派発言に1.20台後半へ反落
〇ドル円7か月半ぶり高値圏へ、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもドル円上昇期待材料増加中
〇本日の予想レンジ:106.70ー107.40
海外時間のレビュー
3日(水)の外国為替市場でドル円は続伸。@バイデン政権による追加経済対策法案の上院通過期待(1兆9000億ドル規模の経済対策案が先週末金曜日に米下院で承認。今週は米上院での審議・採決待ち。バイデン氏は上院通過を狙う目的で1人あたり1400ドルの個人向け一時金の受給資格厳格化の部分を譲歩することに同意)や、A米長期金利の上昇(米10年債利回りは一時1.49%まで上昇)、B米2月サービス業PMI改定値の良好な結果、C心理的節目107.00突破に伴う短期筋のロスカットが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、昨年7/23以来、約7ヵ月半ぶり高値となる107.15まで上昇しました。しかし、Dロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが前日同様上値を抑えると、E既に発表されていた米2月ADP雇用統計や、F米2月ISM非製造業景況指数の冴えない結果も材料視され、本稿執筆時点(日本時間5時45分現在)では、106.97近辺へと小反落する動きとなっております。
3日(水)の外国為替市場でユーロドルは上昇後に反落。@ECB関係筋による「債券利回りの抑制に劇的な行動は必要ない」との発言を受けて、一時1.2113まで上昇するも、A米長期金利の上昇や、BデギンドスECB副総裁による「ユーロ圏のインフレ率の上昇は一時的」「パンデミック緊急購入プログラムの購入ペースはいつでも拡大できる」との発言が重石となると、本稿執筆時点(日本時間4時55分現在)では、1.2064近辺まで反落する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目107.00をついに突破し、一時107.15まで急伸しました(約7ヵ月半ぶり高値圏)。@強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転が継続していること、A強気のバンドウォークが6営業日連続で継続していること、Bダウ理論で高値と安値を同時に切り上げる典型的な上昇トレンドが継続していること等を考慮すれば、テクニカル的に見て、ドル円相場の地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、バイデン政権による追加経済対策法案の成立期待が一段と高まっていることや、新型コロナワクチンの普及期待、米長期金利上昇の流れ、次回日銀金融政策決定会合(政策点検)でのマイナス金利の深堀余地・明確化の思惑(片岡日銀審議委員は昨日、必要あれば特別プログラムの再延長を含め、躊躇なく追加金融緩和を講ずる旨発言)など、ドル円相場の更なる上昇を期待させる材料が増えつつあります。米長期金利の動向や、米主要株価指数の動き、米経済指標の結果(新規失業保険申請件数や、米1月製造業受注)、米当局者発言(パウエルFRB議長講演)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の短期的な上昇をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:106.70ー107.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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