ドル高基調継続も、調整の動きなどに要注意(2/25夕)

25日の東京市場は伸び悩み。一時106.15円レベルまで上昇し、17日高値に迫るも夕方に掛けては小反落。106円台を維持できなかった。

ドル高基調継続も、調整の動きなどに要注意(2/25夕)

ドル高基調継続も、調整の動きなどに要注意

〇ドル円、前日高値を超え106.15レベルまで一時上昇後小反落
〇ユーロ/円やカナダ/円は年初来高値を示現し一段高
〇CIA長官バーンズ氏「中国に関する情報収集を優先事項とする」
〇インド中銀のダス総裁、暗号資産は「金融の安定性にリスクをもたらす可能性がある」
〇時間外取引のNYダウ先物など主要3指数はすべてプラス圏で推移
〇株高方向へ推移なら為替市場もドル高傾向の動きが続く
〇本日は欧州を含めた各国中銀総裁など、通貨当局者の講演に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.50-106.50

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は伸び悩み。一時106.15円レベルまで上昇し、17日高値に迫るも夕方に掛けては小反落。106円台を維持できなかった。

ドル/円は、寄り付いた105.80-85円を日中安値にドルは右肩上がり。前日高値を超え、106.15円レベルまで一時上昇したものの買いは続かず。途中、「行って来い」の流れとなり、寄り付きレベル近くまでドル安が進行している。16時現在では、再び小反発に転じた105.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、円は対ドル以外でも軟調で全面安に近い展開をたどるなか、ユーロ/円やカナダ/円は年初来高値を示現するなど一段高。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「ビットコインなどへの高値けん制発言」について。
前者は、中国の王商務相から「貿易・経済面で米国との交流を拡大する用意がある」などとした融和を望む発言が聞かれるなか、米国サイドからは、バイデン大統領が中央情報局(CIA)長官に指名したバーンズ氏が承認公聴会で、「中国情勢が最大の地政学的試練」だと述べたうえで、承認されれば「中国に関する情報収集を優先事項とする」旨を明らかにしていた。また、米通商代表部(USTR)代表に指名されたタイ氏は25日に上院財政委員会で証言する予定だが、事前に公表された証言文によると「中国はライバル、しかし協力も必要」などと表明する見通しだという。

対して後者は、テスラのマスクCEOが20日に「ビットコインは高いように見える」と指摘したことが物議を醸すなか、米投資会社バークシャー・ハザウェイの副会長で著名投資家バフェット氏の長年の右腕であるマンガー氏が、米株とビットコイン投資にともに警鐘を鳴らしたとして話題に。さらに、暗号資産(仮想通貨)については、インド中銀のダス総裁からも「金融の安定性にリスクをもたらす可能性がある」としたうえで、「深く懸念している」と述べたと報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

連日のように史上最高値を更新してきたビットコインやNYダウなどについて、前述したような高値けん制発言も聞かれ始めている。積極的な上値追いへの警戒感も台頭しているが、たとえば本日東京時間に取引されている時間外取引のNYダウ先物など主要3指数はすべてプラス圏で推移しており、基調そのものに変化はみられない。リスクは依然として上向き、株高方向への推移をたどるとすれば、為替市場もドル高傾向の動きが続く可能性を否定できないだろう。
このあとも、米株と米金利の動きをまずは注視。また、材料がまったくないというわけではないが、ゴトー日そして週末、月末を意識した需給要因などに対する警戒感が急速に高まっているようだ。予想とは逆方向に動くポジション調整や、駆け込み的な実需取引などにも一応要注意か。ドル/円でいえば、足もとのドル高基調に冷や水を浴びせるような動きがないとも限らない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は緩やかな右肩上がりをたどる移動平均の21日線に下支えられ、200日線(105円半ば)を再びしっかりと上回ってきた。目先は21日、200日の両線が下値を支えそうで、ドルは底堅く推移するとの見方が有力。また、21日線と200日線は早ければ来週初めにもゴールデンクロスを達成する見込みで、チャート的にもドル強気派の支援となりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、10-12月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される見込みだ。また、本日は欧州を含めた各国中銀総裁など、通貨当局者の講演が相次ぐことから要人発言にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。上方向は、本日東京高値の106.15円レベルそして前回高値である106.22円の攻防にまずは注目。超えれば107円前後が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線が位置する105円半ばが引き続きサポートとして意識されそうだ。割り込んでも21日線をはじめテクニカルポイントは多く、底堅い雰囲気。

ドル高基調継続も、調整の動きなどに要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る