ドル円、約半年ぶり高値圏へ続伸。米長期金利の高騰がドル買いの背景
〇ドル円米長期金利急上昇で約半年ぶり高値の106.40まで急伸
〇米10年債利回りは約一年ぶりに1.61%に高騰
〇ユーロドル欧州指標改善に1.2243まで上昇するも米長期金利上昇で1.2170近辺へ値を崩す
〇ドル円、米追加経済対策、テーパリング観測、長期金利高騰等ファンダメンタルズがサポート
〇但し、長期金利上昇と株高併存が終了し、「ドル買い」「円買い」並走で上昇速度和らぐか
〇本日の予想レンジ:105.80ー106.60
海外時間のレビュー
25日(木)の外国為替市場でドル円は急伸。@バイデン政権による追加経済対策期待や、A米7年債入札の冴えない結果、B市場で燻る根強いテーパリング観測、C上記@ABを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは約1年ぶり高水準となる1.61%へ高騰)、D米主要株価指数の急反落(リスク回避のドル買い)、E米1月耐久財受注(結果3.4%、予想1.1%、前回1.2%)の力強い結果や、F米新規失業保険申請件数(結果73.0万件、予想83.8万件、前回84.1万件)の予想比大幅改善が支援材料となり、米国時間午後にかけて、昨年9/4以来、約半年ぶり高値となる106.40まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、106.30近辺で推移しております。尚、昨日はクラリダFRB副議長、カンザスシティ連銀ジョージ総裁より立て続けに「テーパリング=量的緩和縮小議論は時期尚早」との意見が述べられましたが、市場の反応は限定的となりました。
25日(木)の外国為替市場でユーロドルは上昇後に急反落。@ドイツ3月GFK消費者信頼感調査(結果▲12.9、予想▲14.3、前回▲15.5)の予想比改善や、Aユーロ圏2月経済信頼感指数(結果93.4、予想92.0、前回91.5)の良好な結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、1/8以来、約1ヶ月半ぶり高値となる1.2243まで急伸しました。しかし、B米長期金利が急騰すると、C米主要株価指数の急反落を通じたリスク回避のドル買いも加わり、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.2170近辺まで値を崩す展開となっております。
本日の見通し
ドル円は2/17に記録した直近高値106.22を突破すると、一時106.40(昨年9/4以来)まで急伸しました。@一目均衡表転換線より上側に位置していること、A200日移動平均線より上側に位置していること、B一目均衡表三役好転が継続していること、Cダウ理論の上昇トレンドが継続していること、D強気のバンドウォーク点灯(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)の可能性が意識されていること、E1/6安値と1/21安値を結んだサポートライン(添付チャートの緑線)が機能していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
ファンダメンタルズ的に見ても、バイデン政権による追加経済対策期待(国債増発懸念)や、根強いテーパリング観測、米長期金利の高騰など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想いたします(但し、昨日は米長期金利の上昇と株高の併存状態が終了し、米長期金利高騰→米株急落となりましたので、ここから先はリスク回避の「ドル買い」「円買い」の並走が意識されます。従って、ドル円相場の上昇速度は幾分和らぐ可能性がある点に留意が必要でしょう)。
本日の予想レンジ:105.80ー106.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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