高値圏で底堅く推移。来週はトルコ中銀政策金利発表に注目
〇トルコ円週明け6ヶ月ぶり高値15.02まで上昇
〇その後ポジション調整で14.68まで反落するも中銀タカ派姿勢、対米関係改善期待等で14.98に切り返す
〇トルコ円テクニカルファンダメンタルズとも地合い強い
〇2/18中銀政策金利発表注視、タカ派文言残るか
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30
今週のレビュー(2/8−2/12)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.94円で寄り付いた後、早々に週間高値15.02円まで上昇しました(昨年8/6以来、6ヵ月ぶり高値圏)。しかし、1/28以降の急騰劇の反動からポジション調整の動きが活発化すると、翌2/9には、一時14.68円まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後は持ち直し、@トルコ中銀による根強い追加利上げ観測(アーバル総裁は先週「利下げは今年のかなり先まで検討しない。状況次第で追加利上げもあり得る」と発言)や、Aトルコ12月鉱工業生産(結果1.3%、予想0.9%)の良好な結果、Bテクニカル的な地合いの強さ、C米国務省による「ブリンケン米国務長官とチャブシオール・トルコ外相が数日以内に会談する予定」との報道(トルコと米国のS400を巡る関係亀裂の改善期待)、
D外貨準備の更なる増加(結果543.7億ドル、前回533.7億ドル)、Eトルコ12月経常収支(結果▲32.1億ドル、予想▲37.0億ドル、前回▲40.6億ドル)の赤字幅減少が支援材料となり、週末にかけて、14.98円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/13午前6時00分現在)では14.92円前後で推移しております。
来週の見通し(2/15−2/19)
トルコリラの対円相場は、1/18に記録した年初来安値13.74円をボトムに反発に転じると、今週初に一時15.02円まで急伸しました。この間、市場参加者に注目されていた200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も実現するなど、テクニカル的に見て、更なる上昇を期待させるチャート形状となっております(200日移動平均線を突破したことで2017年10月より始まった長期下落トレンドの終焉が示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@インフレ率の高止まりや、A上記@を背景としたトルコ中銀の追加利上げ観測(アーバル総裁は先週、更なる利上げの可能性を示唆)、B地政学的リスクの後退(ギリシャを含むEU諸国との関係修復期待。今後数日以内に行われるブリンケン米国務長官とチャブシオール・トルコ外相を経て米土関係も改善に向けて前進する可能性あり)、C外貨準備の持ち直し(昨年11月をボトムに増加傾向)など、トルコリラ円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は2/18に予定されているトルコ中銀の政策金利発表に注目が集まります。前回同様、政策金利を据え置きつつも、声明文でタカ派的な文言(長期的なインフレ低下が見られるまで断固として引き締め策を続ける)を残すと見られ、会合後も引き続き利上げ観測→リラ高の構図が続きそうです。
来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30
注:ポイント要約は編集部
トルコ円日足
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