ドル円見通し 3日連続陰線(三羽烏)で失速、年初からの戻り一巡の可能性(21/2/10)

ドル円は2月9日昼に105円を割り込み9日深夜には104.50円を割り込むところまで続落、その後も横ばいにとどまっている。

ドル円見通し 3日連続陰線(三羽烏)で失速、年初からの戻り一巡の可能性(21/2/10)

3日連続陰線(三羽烏)で失速、年初からの戻り一巡の可能性

〇ドル円、9日昼に105円を割り込み深夜には104.50を割り込むところまで続落し横ばいにとどまる
〇NYダウ、9日も取引時間中の最高値を更新したが終盤の失速で7連騰にならず
〇ナスダック総合指数は4日から4連騰で1万4000ポイント台に到達、終値ベースの最高値を更新
〇105円以下での推移中は一段安余地あり、104.30割れから104円前後試し
〇105円超えからはいったん戻しに入ったとみて105.25前後への上昇を想定

【概況】

ドル円は2月9日昼に105円を割り込み9日深夜には104.50円を割り込むところまで続落、その後も横ばいにとどまっている。日足は1月27日から2月4日まで7日連続の陽線で連騰してきたが、2月5日と8日は上ヒゲの陰線続きとなり、9日はさらに大きな陰線でほぼ安値引けとなり、3日連続陰線(三羽烏、または黒三兵)の弱気線となった。

1月6日安値102.59円を起点として1月28日には1月11日高値を超えて二段戻しに入り2月5日高値105.76円まで3.17円の上昇幅となり、昨年3月24日の戻り天井以降の下落期においては5月7日安値105.98円から6月5日高値109.84円までの3.86円高に次ぐ3円超えだったが、2日連続の上ヒゲ陰線と3日連続陰線による下落感は8月13日高値からの反落時や11月9日と11月11日の毛抜き型での戻り高値からの反落時に近い印象だ。104円前後までで確りできれば押し目形成として1月6日からの上昇を三段上げ型へと発展させる目も残っていると思われるが、1月11日高値104.39円を割り込んでくる場合は押し目形成よりも戻り一巡による下落再開感が強まる可能性があり、年初からの上昇基調を継続できるかどうかの重要局面と思われる。

【株高ドル安、米長期債利回りはひとまずピークアウト】

NYダウは2月1日から2月8日まで6連騰の上昇となり8日に史上最高値を更新したが、9日も3万1439.47ドルまで取引時間中の最高値を更新した。終盤の失速で前日比は9.93ドル安に終わって7連騰にはならなかったが、ナスダック総合指数は前日比20.06ポイント高で2月4日から4連騰、1万4044.95ポイントまで高値を伸ばして1万4000ポイント台に到達、取引時間中及び終値ベースの最高値を更新した。
バイデン政権による1.9兆ドル規模の追加経済対策については米上下両院が週末に法案作りに向けた予算決議を可決したために与党民主党単独での可決も可能となった。米国でのワクチン普及と新規感染者の増加ペースが大幅に低下したことによる復興期待も重なって株高の背景となっている。
株高によるリスク選好感が高まる一方で米長期債利回りは今週の大量国債入札を意識して1月28日から急上昇してきたが、2月8日に1.20%に到達して1月12日の1.19%をいったん超えたところからは低下に転じた。

2月9日に実施された580億ドルの3年債入札は最高落札利回りは0.196%となり入札前の市中取引水準をやや下回る堅調さを見せたことで債券売りも収まった印象だ。2月10日に10年債の410億ドル、11日に30年債の270億ドルの入札が予定されているものの、1月12日への利回り急上昇時も翌週の大量入札を意識しての上昇だったものの大量入札当週を無難に消化したことで低下に転じており、今回も類似した動きと思われる。
トレンドとしては昨年8月以降の利回り上昇期が継続する可能性もあるが、株高によるリスク選好感の拡大で為替市場が米長期債利回り水準よりも株高への同調性を優先すればドル安基調を回復してゆくと思われる。2月9日はユーロドルが3連騰、ポンド/ドルが4連騰、豪ドルが3連騰するなどドル安再開感が強まっており、ドル円も全般的なドル安基調と米長期債利回り低下による売り圧力がかかった状況と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月1日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして2月3日夕から5日夜にかけての間への上昇を想定してきたが、5日夜へ高値を更新した後は新たな高値更新へ進めずに8日深夜へ失速したために9日朝時点では2月5日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は9日午前から11日午前にかけての間と想定し、105.50円以下での推移中は一段安余地ありとした。
2月9日深夜へ続落してからも安値圏にとどまっているのでまだ一段安余地ありとみる。また2月5日夜と8日夕の両高値をダブルトップ型として安値形成期が15日朝にかけての間へ延びる可能性もあると注意し、強気転換は105円台回復からとする。

60分足の一目均衡表では8日深夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、遅行スパンが下げ渋りで一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とする。

60分足の相対力指数は2月9日夕刻に20ポイント以下へ低下した後は相場が安値を更新しても指数のボトムが切り上がっているので強気逆行型となる可能性がある。50ポイント以下での推移中はまだ一段安余地ありとみるが、相場がさらに一段安する際に指数のボトムが切り上がるようなら反騰注意とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、104.30円を下値支持線、105.00円を上値抵抗線とする。
(2)105円以下での推移中は一段安余地ありとし、104.30円割れからは104円前後試しとみる。104円以下は反騰注意とするが、105円以下での推移が続くうちは11日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)105円超えからはいったん戻しに入ったとみて105.25円前後への上昇を想定する。105円台序盤は戻り売りにつかまりやすいとみるが105円到達後も104.80円以上での推移なら11日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。

【当面の主な予定】

2/1(水)
10:30 (中) 1月 生産者物価指数 前年同月比 (12月 -0.4%、予想 0.3%)
10:30 (中) 1月 消費者物価指数 前年同月比 (12月 0.2%、予想 -0.1%)
16:00 (独) 1月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.8%、予想 0.8%)
16:00 (独) 1月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 1.0%、予想 1.0%)
22:00 (欧) ラガルドECB総裁、パネッタECB理事、講演

22:30 (米) 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 0.4%、予想 0.3%)
22:30 (米) 1月 消費者物価指数 前年同月比 (12月 1.4%、予想 1.5%)
22:30 (米) 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 0.1%、予想 0.2%)
22:30 (米) 1月 消費者物価コア指数 前年同月比 (12月 1.6%、予想 1.5%)
24:00 (米) 12月 卸売在庫 前月比 (11月 0.0%、予想 0.1%)
24:00 (米) 12月 卸売売上高 前月比 (11月 0.2%)
28:00 (米) 1月 月次財政収支 (12月 -1436億ドル)
28:00 (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演

2/11(木)
国際エネルギー機関(IEA)月報、OPEC月報
休場、中国(旧正月)、日本(建国記念日)
22:30 (米) 週間 新規失業保険申請件数 (前週 77.9万件、予想 77.0万件)
22:30 (米) 週間 失業保険継続受給者数 (前週 459.2万人)
28:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現行 4.25%、予想 4.00%)

オーダー/ポジション状況

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