ドル円、心理的節目105.00を割り込み急落。米長期金利の低下が重石(2/10朝)

9日(火)の外国為替市場でドル円は急落。

ドル円、心理的節目105.00を割り込み急落。米長期金利の低下が重石(2/10朝)

ドル円、心理的節目105.00を割り込み急落。米長期金利の低下が重石

〇ドル円海外時間にダラス連銀総裁の緩和長期化スタンス示唆に104.50まで急落
〇ユーロドル米長期金利低下継続で続伸1.2120付近で取引
〇ドル円転換線を下方ブレイク、短期上昇トレンドの終了印象づける
〇ファンダメンタルズ的にも市場で燻る米テーパリング観測の相次ぐ否定で米長期金利低下傾向
〇本日は米10年債入札とパウエル議長講演に注意
〇本日の予想レンジ:104.10ー104.90

海外時間のレビュー

9日(火)の外国為替市場でドル円は急落。@前日のクリーブランド連銀メスター総裁によるハト派的な発言や、A上記@を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは前日の1.20%→1.14%へ)、B心理的節目105.00を割り込んだことに伴う短期筋のロスカット(見切り売り)、Cダラス連銀カプラン総裁による「インフレが一時的に上昇しても驚きはない」との発言(金融緩和の長期化スタンスを示唆)、D2/10に予定されているパウエルFRB議長講演を前にした警戒感(市場で燻るテーパリング観測を強く否定するとの思惑あり)が重石となり、米国時間にかけて、1/29以来となる安値104.50まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、104.58(訂正×105.58)近辺で推移しております。

9日(火)の外国為替市場でユーロドルは続伸。@米長期金利の低下を背景とした広範なドル売り圧力や、A節目1.2100を上抜けたことに伴う短期筋のロスカット(ショートカバー)、Bイタリアを巡る政局不透明感の後退(ドラギ氏による各政党との連立協議が前進→早ければ週内に首相就任を宣誓する可能性あり)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、2/1以来となる高値、1.2121まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.2119近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は2/5に記録した約4ヵ月ぶり高値105.78をトップに反落に転じると、昨日(2/9)は一時104.50まで急落しました。この間、200日移動平均線や一目均衡表転換線を下方ブレイクした他、心理的節目105.00も下抜けするなど、地合いの悪化(短期上昇トレンド終了→短期下落トレンド開始)を印象付けるチャート形状となっております。ファンダメンタルズ的に見ても、前日のクリーブランド連銀メスター総裁に加えて、昨日はダラス連銀カプラン総裁も金融緩和の長期化を示唆する発言を行うなど、市場で燻るテーパリング観測を否定する展開が続いております(米長期金利低下→ドル売り)。

こうした中、本日は日本時間2/11早朝3時に予定されている大規模な米10年債入札と、同4時に予定されているエコノミッククラブでのパウエルFRB議長講演に注目が集まります。特に後者でハト派的な発言が強調されれば、もう一段ドル売りが加速する恐れもある為、ダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。以上を踏まえ、当方では、ドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:104.10ー104.90

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目105.00を割り込み急落。米長期金利の低下が重石

ドル円日足

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