ドル円見通し 6日連続陽線だが2月2日の上髭高値を超えずに105円を挟んだ揉み合い(21/2/4)

全般的なドル高感は継続しているもののドル高の勢いもやや鈍っており、ドル円も高値更新へ進むのを躊躇した印象だ。

ドル円見通し 6日連続陽線だが2月2日の上髭高値を超えずに105円を挟んだ揉み合い(21/2/4)

6日連続陽線だが2月2日の上髭高値を超えずに105円を挟んだ揉み合い

〇ドル円、3日は新たな高値更新へ進めず105円を挟んだ揉み合い
〇米1月非農業部門民間就業者数前月比17万4000人増、市場予想の4万9000人増を大幅に上回る
〇NYダウ前日比36.12ドル高と小幅ながら3日続伸で先週までの株安感後退
〇株高債券安が続く場合は長期債利回り上昇継続によるドル高圧力が再び強まる可能性
〇2/2深夜高値105.16超えからは105円台中盤を目指すとみる
〇104.85割れからはいったん調整安に入るとみて104円台中盤への下落を想定

【概況】

ドル円は1月27日からの5連騰で2月2日深夜には105.16円まで高値を伸ばしたが、2月3日は新たな高値更新へ進めずに105円を挟んだ揉み合いでほぼ横ばいの推移にとどまった。日足はわずかに陽線引けとなったために6日連続陽線だが、2月2日が上髭の目立つ足となり、一段高状態を維持して底固いものの上値もやや重くなっている。
2月3日は株高債券安・米長期債利回り上昇でドル高基調の展開となったが、ユーロが3日夜に1月6日以降の安値を更新したものの、ポンドや豪ドルは安値更新を回避、NZドルが四半期失業率の予想以上の改善で上昇、新興国通貨はまちまちとなり、全般的なドル高感は継続しているもののドル高の勢いもやや鈍っており、ドル円も高値更新へ進むのを躊躇した印象だ。
米ADPが発表した1月の非農業部門民間就業者数は前月比17万4000人増で市場予想の4万9000人増を大幅に上回った。12月分は7万8000人減で速報の12万3000人減から上方修正された。
米サプライ管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業景況指数は58.7となり12月の57.7から上昇して市場予想の56.8を上回った。

【米長期債利回り上昇続く】

2月3日のNYダウは前日比36.12ドル高と小幅ながら3日続伸、ナスダック総合指数は2.24ポイント安と小幅下落したものの確りした。NYダウは1月21日から27日まで5日続落となり、27日に前日比633.87ドル安と大幅続落した後の28日に300.19ドル高といったん戻したが29日には620.74ドル安と反落して1月21日の史上最高値からの安値を更新した。しかし週明けは1日に229.29ドル高、2日に475.57ドル高と反騰し、3日も小幅ながら続伸したことで先週までの株安感が後退している。ADP民間雇用統計やISMのサービス業景況指数が予想を上回ったこともプラスとなった。

また先週までのいわゆる「レディットの乱」による一部銘柄の乱高下も落ち着いたことも好感された。
株高により米長期債は売られて利回りは上昇、米10年債利回りは前日比0.04%上昇で1.14%、30年債利回りも0.06%上昇で1.93%となった。株高による債券売りに加え、米財務省が来週の大量入札予定を発表したことで債券需給の緩和懸念で売られた側面もある。総額1260億ドルの米国債入札は、3年債が580億ドル(2月9日)、10年債が410億ドル(2月10日)、30年債が270億ドル(2月11日)と続く。1月6日の0.90%台から1月12日の1.19%へと急上昇した時も翌週の大量入札予定を前にしての債券売りがきっかけでその間のドル高要因となったが、1月28日に1%割れまで低下していたところから上昇に入っており、週末の米雇用統計を通過しながら株高債券安が続く場合は長期債利回り上昇継続によるドル高圧力が再び強まる可能性があると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして1月28日夜から2月1日深夜にかけての間への上昇を想定してきたが、1月29日夕高値から上げ渋った後に一段高へ進んだため、2月2日朝時点では1月29日夕高値を直近のサイクルトップ、上げ渋り持ち合い中の安値である2月1日午前安値104.60円を同サイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして2月3日夕から5日夜にかけての間への上昇を想定した。2日深夜高値の後も横ばい推移で確りしているのでまだ一段高余地ありとみるが、104.85円割れから続落の場合はいったん調整安に入るとみて4日の日中から8日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2日深夜高値以降の横ばい推移により遅行スパンは実線と交錯に入っているが先行スパンからの転落は回避している。このため先行スパンを上回るうちは一時的に遅行スパンが悪化してもその後の好転からは上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月29日高値から2月2日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行となりその後は50ポイント割れを何度か繰り返している。50ポイントを割り込んでも切り返すうちは60ポイント超えから弱気逆行をブレイクしての上昇再開とするが、50ポイント割れから続落に入る場合はいったん調整安入りとみて30ポイント台への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、104.85円を下値支持線、2月2日深夜高値105.16円を上値抵抗線とする。
(2)104.85円以上での推移中は上昇余地ありとし、105.16円超えからは105円台中盤(105.35円から105.65円)を目指すとみる。105.65円以上は反落注意とするが、105円以上での推移なら5日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)104.85円割れからはいったん調整安に入るとみて104円台中盤(104.65円から104.35円)への下落を想定する。104.50円以下は反発注意とするが104.85円以下での推移が続くうちは5日も安値試しへ向かいやすいとみる。ただし104.85円をいったん割り込んだ後に105円を超えるところからは上昇再開の可能性ありとし、2日深夜高値超えからは新たな上昇期に入るとみて105円台中盤を目指す上昇を想定する。

【当面の主な予定】

2/4(木)
09:30 (豪) 豪中銀、四半期金融政策報告
09:30 (豪) 12月 貿易収支 (11月 50.22億豪ドル、予想 87.50億豪ドル)
19:00 (欧) 12月 小売売上高 前月比 (11月 -6.1%、予想 1.6%)
19:00 (欧) 12月 小売売上高 前年同月比 (11月 -2.9%、予想 0.3%)
21:00 (英) 英中銀、政策金利 (現行 0.10%、予想 0.10%)
21:00 (英) 英中銀資産買取規模 (現行 8950億ポンド)
21:00 (英) 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨

22:30 (米) 10-12月期 非農業部門労働生産性速報値 前期比 (7−9月 4.6%、予想 -2.8%)
22:30 (米) 10-12月期 単位労働コスト速報値 前期比年率 (7−9月 -8.9%、予想 4.0%)
22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 84.7万件、予想 83.0万件)
22:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前週 477.1万人、予想 470.0万人)
22:30 (英) ベイリー英中銀総裁、デギンドスECB副総裁、討論会参加
24:00 (米) 12月 製造業新規受注 前月比 (11月 1.0%、予想 0.7%)

2/5(金)
08:30 (日) 12月 全世帯消費支出 前年同月比 (11月 1.1%、予想 -2.4%)
14:00 (日) 12月 景気先行指数(CI)速報値 (11月 96.4、予想 95.2)
14:00 (日) 12月 景気一致指数(CI)速報値 (11月 89.0、予想 87.8)
16:00 (独) 12月 製造業新規受注 前月比 (11月 2.3%、予想 -1.0%)
16:00 (独) 12月 製造業新規受注 前年同月比 (11月 6.3%、予想 6.7%)

22:30 (米) 12月 貿易収支 (11月 -681億ドル、予想 -657億ドル)
22:30 (米) 1月 雇用統計・非農業部門就業者数 前月比 (12月 -14.0万人、予想 5.0万人)
22:30 (米) 1月 雇用統計・失業率 (12月 6.7%、予想 6.7%)
22:30 (米) 1月 雇用統計・平均時給 前月比 (12月 0.8%、予想 0.3%)
22:30 (米) 1月 雇用統計・平均時給 前年同月比 (12月 5.1%、予想 5.1%)
29:00 (米) 12月 消費者信用残高 前月比 (11月 152.7億ドル、予想 120.0億ドル)

注:ポイント要約は編集部

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