米FOMCに注目、レンジ放れを期待する声も(1/27夕)

27日の東京市場は揉み合い。依然として103円後半、20ポイント強のレンジ取引で、方向性は乏しかった。

米FOMCに注目、レンジ放れを期待する声も(1/27夕)

米FOMCに注目、レンジ放れを期待する声も

〇ドル円、103円後半、20ポイント強のレンジ取引で揉み合い
〇ポンドが対ドルや円で続伸し、年初来高値を更新
〇ロイター「ドイツがコロナ変異種の流入阻止に向け国外からの渡航者大幅削減を協議」
〇ブルームバーグ「EU加盟国政府は入域を許可する国の共通リストから日本を除外する計画」
〇米FOMC結果発表、ならびにFRB議長の会見前後してのレンジ放れに注意
〇本日は12月米耐久財受注速報、アップルやフェイスブックなどの決算発表に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.20-104.20

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は揉み合い。依然として103円後半、20ポイント強のレンジ取引で、方向性は乏しかった。

ドル/円は、103.60円前後で寄り付いた直後に日中安値である103.55円レベルをつけ、全般的に底堅かったものの上値も重い。103.75円レベルへと小幅に値を上げたあとは上げ渋ると、103.60-75円での揉み合いになっている。16時現在では103.65-70円で推移し、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、値幅そのものは小さいがポンドが対ドルや円で続伸し、年初来高値を更新。英政府が、新型コロナウイルスによる死者について、「第2次世界大戦での民間人の犠牲者数を超えた」などとし、累計10万人を超えたことを明らかにしたがあまり材料視はされなかった。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、昨日筆者が懸念した「新型コロナウイルスの世界の感染者は、早ければ日本時間27日にも『1億人』の大台に到達する見通し」−−が現実のものに。5000万人を突破したのが去年11月であり、わずか2ヵ月半あまりで倍増した計算だ。それもあり、ロイターが「ドイツ政府はコロナ変異種の流入阻止に向け、国外からの渡航者を大幅に削減することを協議」と報じていたほか、ブルームバーグも「EU加盟国政府は、入域を許可する国の共通リストから日本を除外する計画」と指摘するなど、世界的な内向き化が再び強まっている感を否めない。

対して後者は、先日、中国サイドが否定をした「中国、バイデン米政権とのハイレベル対話に向け外交トップの訪米打診」とした内容を共同通信が再び報道し、一部で話題に。ただ、記事のなかで「バイデン政権側は中国側との高官協議に消極的」とも指摘していた。そうしたなか、中国人民銀総裁から「早期に景気刺激政策からの出口を模索しない」との発言が聞かれたほか、中国海事局が「南シナ海で軍事演習を今週行う」と発表、「習国家主席が韓国大統領と電話会談実施」するなど、なかなか活発な行動が様々観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週一週間を通してわずか75銭しか動かなかったが、今週の動意はさらにヒドイ。本日の東京時間まで、まだ週の2日半と約半分を消化したところに過ぎないが、それでも変動は40ポイントにも満たない。ごく目先に限れば、そんなレンジ取引が続く可能性を否定できないものの、本日はNYタイムに注目の米FOMC結果発表、ならびにFRB議長の会見という注目イベントが控えている。期待も込めて、前後してのレンジ放れには注意を払いたい。
材料的に、本日もっとも注視されるのは前述したFOMC絡みの動きだが、感染者数が1億人を超えた新型コロナウイルスにも引き続き要注意だ。とくに後者は、ワクチン接種の進展について、世界各国で微妙な齟齬が観測されていることも気掛かり。たとえば、昨日も南アフリカのラマポーザ大統領からダボスアジェンダで、「先進国は過剰なワクチン備蓄をやめるべき」とした発言が聞かれていた。ワクチンの接種や供給が今後世界の新たな火種になる可能性を取り沙汰する向きも少なくない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き103円を中心とした往来相場で方向性に乏しい。しかし、前述したように本日NY時間に注目材料が控えていることもあり、レンジ放れへの期待感もジワリと高まりつつあるようだ。果たして足もとの小動きは「嵐の前の静けさ」なのだろうか?
なお、どちらの方向へレンジを放れるのかは五分五分だが、どちらにしても次のトレンドを決定づけるものとなる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、12月の耐久財受注速報という米経済指標が発表されるほか、アップルやフェイスブックなどによる決算発表も実施される見込みだ。また、本日も引き続き開催される「ダボスアジェンダ」に一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.20-104.20円。25日高値である103.93円が最初の抵抗で、その攻防を注視。超えれば前回高値104.08円、月間高値104.40円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京でも下げ止まった103円半ばは弱いサポート。ただ、それを下回るとレンジ下限の103.33円、103円前後などが意識されそうだ。

米FOMCに注目、レンジ放れを期待する声も

ドル円日足


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