ドル円、心理的節目104丁度を上抜け急伸。リスク回避のドル買い再燃
〇ドル円104円台に急伸 NYダウ一時726ドル急落でリスク回避のドル買い進む
〇FOMC現状維持パウエル議長は早期テーパリング否定、市場の反応は限定的
〇ユーロドル伊政局不安とECB当局者のユーロ高牽制、追加緩和示唆、リスク回避のドル買いに急落
〇ドル円一目均衡表の「雲」の中に突入後急伸、「雲」上限・90日線前に戻り売り優勢の展開となるか
〇104円台維持できるか注視、本日の米4QGDPに注目
〇本日の予想レンジ:103.60ー104.40
海外時間のレビュー
27日(水)の外国為替市場でドル円は急伸。@欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買い(米ダウ平均株価は一時▲726ドル超の急落。VIX指数も24%から34%へ急騰)や、A心理的節目104.00を上抜けたことに伴う短期筋のロスカット、B米FOMCを控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、1/14以来、約2週間ぶり高値となる104.21まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、104.13近辺で推移しております。尚、注目された米FOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利の据え置きと、資産買い入れ水準の現状維持が全会一致で決められました。また、一部で警戒されていたテーパリングについても、パウエルFRB議長は記者会見で「テーパリングの議論は時期尚早」と一蹴しました。声明文、記者会見共に概ね市場予想通りの結果となったことから、マーケットの反応は限定的となっております。
27日(水)のユーロドル相場は急落。@イタリアを巡る政局不透明感の高まり(コンテ首相は辞表を提出。解散総選挙に繋がる懸念が未だ拭えず)や、Aドイツ2月GFK消費者信頼感指数(結果▲15.6、予想▲7.9)の冴えない結果、Bオランダ中銀クノット総裁による「ECBは必要とあればユーロ高に対抗する手段がある」との発言、C一部メディアによる「ECB当局者らは、市場がECBによる利下げの可能性を過小評価していると認識」との報道、D欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.2059まで急落しました。しかし、1/18に記録した直近安値1.2054をバックに下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、1.2107近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されていた一目均衡表雲下限を突破すると、損失覚悟のドル買いを巻き込みながら、一時104.21まで急伸しました。但し、上方には一目均衡表雲上限104.31や、90日移動平均線104.32が控えている為、本日はやや「戻り売り」優勢の展開が想定されます。ファンダメンタルズ的に見ても、欧米株の急落(恐怖指数VIXの急騰)に端を発したリスク回避のドル買いは、「株安→ドル高→クロス円下落→ドル円連れ安」の波及経路で、やや時間差でドル円を下押す傾向にあるため、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(104円台を維持できるか否かに注目。維持できない場合は、上値の重さを嫌気する形で見切り売りを誘発する恐れあり)。尚、本日は米国時間に予定されている米第4四半期GDP速報値に注目が集まります。
本日の予想レンジ:103.60ー104.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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