新米財務長官の公聴会注視、ドル続伸か
〇ドル円、ドルが小高く104円台を回復
〇WHOライアン氏「世界のコロナによる週間の死者が近く10万人を突破する見通し」
〇本日の新米財務長官公聴会、米紙WSJ「議会の行動なければ景気後退リスクと証言へ」
〇イエレン氏のドル安政策事実上否定でドル買いへの安心感が台頭、ドル続伸に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.50
<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、ドルが小高い。過去2営業日乗せることができなかった104円台を回復するなど、レンジは狭いがドルの強さが目についた。
ドル/円は103.65-65円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。103.65-75円といった極めて狭いレンジ取引をたどるも、上抜けるとそのまま104円台まで一気に値を上げた。目先高値を示現後はさすがに上げ渋ったが底堅い。104円絡みの値動きをたどるなか、16時現在ドル/円は104.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「新米財務長官の動静」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果で、世界の感染者は9500万人超に。また、死者数は203万人まで拡大していることが明らかとなった。そうしたなか、南アフリカの伝染病専門家が「南アで検出された変異種は、感染力が従来種よりも強いことが生物学的に確認された」と発表。また、WHOのライアン氏も「世界のコロナ死者は『近く』週間で10万人を突破する見通し」と指摘したことが話題に。欧米など各国でワクチン接種は進んでいるものの、依然として最悪期を脱し切れていない感がある。
対して後者は、「キング牧師の誕生日」もあり、米国ファクターが全般的に乏しいなか、19日に予定されているイエレン新米財務長官の「上院指名承認公聴会」が話題となっていた。たとえば、前日に「イエレン氏は競争優位性のため弱いドルを目指すことはしないと明らかにする見通し」と報じた米紙WSJは、再び「議会の行動なければ景気後退リスクと証言へ」などと指摘。また、ロイターでは同様に「指名承認公聴会で、政府が追加の新型コロナウイルス救済策で『大きな行動を取る』必要があるとの見解を示す見通し」と報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は依然としてレンジ内ではあるものの、前述したように東京時間に104円台を回復するなど、レンジの上抜けが再び期待されている。ちなみに、そんなドルのレンジ上限は104.40円レベル。近くには移動平均の90日線も位置するなど、しっかり超えていければ、さらなるドルの戻りも否定できなくなりそうだ。
そうしたなか、足もとは引き続き「新型コロナとワクチン接種」に関するニュースに注意を払いつつ、「新大統領就任式」を中心とした米政治情勢への注目度が高い。後者については、まず日本時間20日午前0時に実施されるという「米上院財政委員会におけるイエレン氏の財務長官指名承認公聴会」がとくに注目を集めている。そもそも論としてFRB議長の経験者という実績もあり市場の期待感が高い人物かつ、先日「ドル安政策」を事実上否定したこともあり、ドルへの買い安心感が台頭している感を否めない。目先はドル続伸に要注意との指摘も。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き移動平均の21日線と90日線に挟まれた格好ながら、1円以上あったレンジは足もと80-90ポイントまで縮小している。つまり、ジワリと煮詰まりつつあるようで、さほど遠くないタイミングで、次へと向かう新たなトレンドが形成されることになるかもしれない。現状の動きを素直に解釈すれば、上放れということになりそうで、その場合には105円台回復、105.60-80円レベルがターゲットか。
材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、昨日に続き目立った米経済指標の発表が予定されていない反面、「イエレン新米財務長官の上院指名承認公聴会」やバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスなどによる決算発表を警戒する声も少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.50円。まずは104.20円前後の攻防に注目で、超えれば再三再四取り上げている104.40円レベルや90日線などが視界内に入ってくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京で104円台回復後、急速に底堅さを増している104円前後が最初のサポートか。ただ、しっかり割り込むようだと103円半ば程度までの押しが入っても不思議はないだろう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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