ドル円、104円台を維持できず失速。バイデン氏の大統領就任式に注目
〇ドル円リスク選好とイエレン次期財務長官候補の公聴会への期待から欧州朝方にかけ104.08まで上昇
〇イエレン氏追加経済政策に積極的に取り組む、恣意的ドル安を求めない等発言、事前報道通りで反応薄
〇バイデン次期大統領の就任式への警戒感から103円台後半へ反落
〇ユーロドルリスク選好回復と良好な独指標、イタリア総選挙回避で一時1.2145まで上昇
〇ドル円104円を一時回復するも再び一目均衡表の「雲」に続伸阻まれる
〇明日未明の就任式への警戒感、「雲」が数日以内に垂れ下がってくること等ドル売り円買い材料増加
〇103円台半ば、その下は103円を目指すドル円下落がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:103.40ー104.20
海外時間のレビュー
19日(火)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。@株式市場(日本株や米株先物)の堅調推移を背景としたリスク選好の円売り圧力(クロス円上昇→ドル円連れ高)や、Aイエレン次期財務長官候補の指名承認公聴会を前にした期待感が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値104.08まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲下限をバックに伸び悩むと、B上記Aの指名承認公聴会を終えた材料出尽くし感(イエレン氏は「追加経済対策を積極的に取り組む」「経済的利益のためにドル安を求めない」等と発言しましたが、事前に報じられていた内容と一致したため、市場の反応は限定的)や、Cバイデン次期大統領の就任式を控えた警戒感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.89近辺まで反落する動きとなっております。
19日(火)のユーロドル相場は急上昇。@米主要株価指数の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力や、Aドイツ1月ZEW景況感指数(結果61.8、予想60.0、前回55.0)の良好な結果、Bイタリアの解散総選挙が回避されるとの期待感が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.2145まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、C欧州圏におけるロックダウンの長期化懸念(メルケル独首相は2/14までのロックダウン延長に合意)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2128近辺まで小反落する展開となっております。
本日の見通し
ドル円は一時104円の大台を回復しましたが、またしても一目均衡表の雲に続伸を阻まれる形で反落しました(104.10より上側にまとまった売りオーダーが並んでいるとの思惑→短期筋の利食い売りや逆張りを誘発)。一目均衡表の雲が数日以内に垂れ下がってくることも、投資家心理を悪化させており、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、今晩予定されているバイデン次期大統領の就任式(日本時間1/21午前2時に開催予定)を前に警戒感が高まっている他、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に世界経済の深刻な打撃が意識されるなど、ドル売り・円買いを想起させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(1/13に記録した安値103.53や、一目均衡表基準線103.49が下値目途。同水準を下抜ければ103円割れも視野)。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけての一時的なドル買い・円売りには念のため注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:103.40ー104.20
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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