『安値圏から持ち直すも戻りは鈍い。南ア中銀政策金利に注目』
〇南ア円米長期金利低下とリスク選好の新興通貨高、南アワクチン確保報道に6.89まで上昇
〇その後は国内コロナ変異種感染拡大、ロックダウン長期化懸念で反落6.82で越週
〇南ア円テクニカルには一目均衡表「雲」でひとまず反発するも上方に抵抗帯あり
〇1/21南ア中銀政策金利発表注視コンセンサスは据え置きだが、利下げを予想する
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90
今週のレビュー(1/11−1/15)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初6.79円で寄り付いた後、早々に週間安値6.65円(11/9以来、約2ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、@バイデン次期大統領による追加経済対策への期待感(株高→新興国通貨高)や、A米当局者による相次ぐハト派発言を受けた早期テーパリング観測の後退(米長期金利低下→ドル売り→新興国通貨高)、Bラマポーザ南ア大統領による「医薬品メーカーから暫定的に2億7000万回分の新型コロナウイルスワクチンを確保した」との発表が材料視されると、週後半にかけて、週間高値6.89円まで上昇する場面も見られました。もっとも、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、週末にかけて再び反落。C南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(変異種)や、D上記Cを受けたロックダウンの長期化懸念(今週初に警戒レベル3のロックダウンの1ヶ月間延長が決定されるも、状況次第で警戒レベルを引き上げた上での更なる延長の恐れあり)が重石となり、結局6.82円前後まで値を崩しての越週となっております。
来週の見通し(1/18−1/22)
今週は週明け早々に約2ヵ月ぶり安値6.65円まで急落するも、一目均衡表「雲」に下支えされる形でひとまず反発に転じました。しかし、上方には一目均衡表転換線や同基準線等の主要レジスタンスポイント(抵抗帯)が控えている他、来週はローソク足の「雲の中」への突入が必至なこともあり、テクニカル的に見て、「上昇→中立」へトレンド転換が意識されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大や、A上記@を受けたロックダウンの長期化懸念(警戒レベルが引き上げられる恐れ)、B南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア11月製造業生産高は、予想+1.5%に対して、結果▲1.3%と大幅悪化)、C南ア中銀の追加緩和観測(詳細後述)等、南アランド売りを想起させる懸念材料が増えつつあります。
こうした中、来週は1/21に開催される南ア中銀政策金利発表に注目が集まります。市場参加者の大方の予想は政策金利の据え置き(3.50%→3.50%)となっていますが、当方では、足元の新型コロナウイルスの感染拡大や、それに伴う南ア経済の更なる悪化を予防する目的で25bpのサプライズ利下げに踏み切ると予想しております。また、会合前日(1/20)に発表される南ア12月消費者物価指数が伸び悩んだ場合にも、サプライズ利下げの可能性が高まると考えられます。以上を踏まえ、当方では、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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