13.80円台を維持して持ち直し14円台へ戻す
〇トルコリラ円、13日午前に13.83まで下げるも午後に13.90台を回復、14日早朝には14.03まで戻す
〇トルコ11月小売売上高は前月比2.2%、市場予想を上回るも10月の4.3%から鈍化
〇11月鉱工業生産は前月比1.3%増、前年同月比は11.0%で市場予想と前年10月を上回る
〇13.90以上で推移中は上昇余地あり、14日未明高値超えから14.10台前半を目指すとみる
〇13.90割れから下げ再開を警戒、13日夕安値13.83試しとし底割れから13.70台への下落を想定
【概況】
トルコリラ円は1月7日夕刻に14.25円まで上昇して11月6日以降の高値を更新したところから下落に転じ、11日夕刻に13.85円まで下げてからは13.90円を挟んだ下げ渋り持ち合いとなってきた。13日午前には13.83円まで下げてこの間の安値を若干切り下げたものの13.80円台序盤では買い戻されえて午後には13.90円台を回復、夕刻に発表された11月のトルコ鉱工業生産や小売売上高が市場予想を上回ったことで戻り高値を切り上げて14日早朝には14.03円まで戻した。その後は14.00円を挟んだ揉み合いで様子見の動きとなっている。
【対ドルでの反落も落ち着いたか】
対ドルでのトルコリラは米長期債利回り急上昇によるドル高圧力により1月7日夕高値7.23リラから11日夜安値7.51リラまで下落し、12日夜にかけては安値圏にとどまっていたが、米長期債利回りが低下に転じたことでドル高が弛み、14日朝には7.37リラまで戻している。1月7日から11日までは3日連続陰線での下落だったが、1月12日から13日にかけて続陽線で切り返しているため、14日も陽線で対ドルでの上昇となれば12月11日からの上昇一服による小反落を消化して再びリラ高ドル安基調へ進みやすい位置取りとなっている印象だ。
年初までは米国株高を先導役として為替市場全般がリスク選好的な展開でドル安となり、トルコリラも対ドルでの上昇基調を続けてきたのだが、米10年債利回りが1%を超えて急伸したことでドル買いの動きとなり新興国通貨もいったん売られてトルコリラも対ドルで下落していたが、ひとまずこの流れは落ち着き、元のドル安基調を回復しつつあるところと思われる。
トルコリラ円も11月24日安値と12月11日安値をダブル底として上昇期に入り、1月7日まで大幅上昇してきたが、1月8日から12日までは3日連続の日足陰線で下落となり上昇にはいったんブレーキがかかった、しかし13日を陽線で切り返し、12月31日の反落時安値13.70円から1月13日安値13.83円へ底上げをして持ち直しつつあるため、1月13日への下げを押し目形成として上昇再開を伺うところと思われる。
【トルコの鉱工業生産、小売売上高は予想を上回る】
トルコ統計局が発表した11月の小売売上高は前月比2.2%増で市場予想の1.8%を上回ったが10月の4.3%増から鈍化した。前年同月比は11.9%増で市場予想の9.5%増を上回ったが10月の12.4%からは鈍化した。
11月の鉱工業生産は前月比1.3%増となり10月の1.2%増から若干伸びた。前年同月比は11.0%で市場予想の9.5%を上回り10月の10.4%増も上回った。
感染拡大の第二波の中にあったが、外出制限を行いながら経済を回してきたことで11月の統計は悪くなく、発表後はトルコリラ円及び対ドルでのトルコリアらは上昇反応を見せた。
トルコの新規感染者数は12月8日に3万3198人まで急増したがそこをピークに減少しており、13日の新規感染者数は9554人まで減った。高い水準にあり、累計感染者数は235万人超で世界7位の水準にあるが、今のところは医療崩壊的な危機感を見せずに確りしている印象だ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月7日夕高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしてきたが、1月12日夕刻に14.00円まで戻してから失速したために13日午前時点では11日夕安値を直近のサイクルボトム、12日夕高値を同サイクルトップとした新たな弱気サイクル入りとした。13日午前に11日夕安値を割り込んだもののその後の反騰で12日夕高値を上抜き返しているため、13日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は12日夕高値を基準として15日夕から19日夕にかけての間とするが、戻りは短命の可能性もあるので13.90円割れを弱気転換注意とし、13日夕安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして18日夕から20日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では1月14日未明への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いた。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは下げ再開を警戒し、先行スパン転落からは下げ再開とみて13日夕安値を割り込む下落期入りと考える。
60分足の相対力指数は14日未明への上昇で70ポイント手前まで上昇してからはやや下げている。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとみるが、相場が高値を切り上げる際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が発生する場合は下げ再開を警戒し、45ポイント割れからは30ポイント以下を目指す下落期入りと考える。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.90円を下値支持線、14.10円を上値抵抗線とする。
(2)13.90円以上での推移中は上昇余地ありとし、14日未明高値超えからは14.10円台前半を目指すとみる。14.15円以上は反落注意とするが13.95円以上での推移なら15日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.90円割れからは下げ再開を警戒して13日夕安値13.83円試しとし、底割れからは13.70円台への下落を想定する。13.75円以下は反騰注意とするが、13.90円以下での推移なら15日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な経済指標等の予定】
1月14日
20:30 週次外貨準備高 1/8時点 (12/31時点 500.0億ドル)
1月15日
17:00 12月財政収支 (11月 134.3億リラ)
1月20日
23:30 12月中央政府債務 (11月 187.2億リラ)
1月21日
16:00 1月消費者信頼感指数 (12月 80.1)
20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 17.0%、予想 17.0%)
20:30 週次外貨準備高 1/15時点
注:ポイント要約は編集部
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