トルコリラ円見通し 7日高値からやや軟調な推移、11日以降は14円を割り込んだ水準(20/1/13)

トルコリラ円は12日夕刻に14円までいったん戻したものの再び失速し、13日10時半過ぎには11日夕刻安値を割り込み始めている。

トルコリラ円見通し 7日高値からやや軟調な推移、11日以降は14円を割り込んだ水準(20/1/13)

1月7日高値からやや軟調な推移、11日以降は14円を割り込んだ水準

〇トルコリラ円は12日夕刻に再び失速し、本日10時半過ぎに11日夕刻安値を割り込む
〇対ドルでは11日深夜の下落からやや戻すも7.40を下回らない程度にとどまり動意薄
〇ドル円が円高へ向かっていることでトルコリラ円も上値が重い状況
〇21日に予定されるトルコ中銀金融政策決定会合、利上げは見送られ現状維持予想
〇13.80割れからは13.70前後への下落を想定
〇14.00超えからはいったん戻しに入るとみて14.10前後への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円は1月7日夕刻に14.25円まで上昇して11月6日以降の高値を更新したが、その後は軟調な推移に入っている。11日午後に14円を割り込んでから11日夕刻に13.85円まで下げた後は12日夕刻に14円までいったん戻したものの再び失速し、その後は13.90円を挟んだ小幅レンジでの横ばい推移に入ってきた。1月13日10時半過ぎには11日夕刻安値を割り込み始めている。
対ドルでのトルコリラが米長期債利回り上昇によるドル高の動きに圧されて7日夕刻高値7.23リラから11日深夜には7.51リラまで下落、12日深夜からは米長期債利回りが低下したことでやや戻しているものの7.40リラを超えない程度にとどまって動意が薄くなっており、一方でドル円が104円を割り込んでやや円高へ向かっていることでトルコリラ円も上値が重い状況となっている印象だ。

【二度の利上げによる上昇一服、調整気味の展開に入るか】

1月7日高値の後は8日夕刻に13.99円まで下げたところから下げ渋ったもの11日夕刻に13.85円まで下げ、12日夕刻の戻り高値も切り下がった状況にある。12月24日のトルコ中銀による二度目の利上げからの上昇で12月30日に14.14円まで上昇した後に12月31日夕刻安値13.70円まで下げたところは調整を短期に消化して一段高してきたが、今回はその時よりも調整安が長引いている。
11月6日に史上最安値11.99円を付けたところから中銀総裁及び財務相交代による金融政策正常化期待で反騰入りしてきた。11月19日の最初の利上げを消化して反落した時の11月24日安値12.92円と12月11日安値12.96円をダブル底型として二度目の利上げ期待を背景に上昇基調に入り、12月24日の二度目の利上げから14円台を超えて高値を伸ばしてきたのだが、次回の1月21日に予定されているトルコ中銀金融政策決定会合も迫る中、3会合連続の利上げは見送られて現状維持予想となる中で、ひとまず二度の利上げによるリラ買いが一巡、いったん調整安を入れ始めている印象もある。

1月4日から1月7日まで日足は4日連続陽線だったが、1月8日から12日までは3日連続陰線での下落となっている。相対力指数は12月30日から1月7日への高値切り上げに際して指数のピークが切り上がる弱気逆行型を見せているため、1月21日の中銀金融政策会合へ向けては安値試しを続けやすい状況かと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月7日夕刻へ一段高したところからの反落により8日午前時点では7日深夜安値14.00円を割り込む場合は弱気サイクル入りとし、8日夕刻に一時的に14円を割り込んだために12日午前時点では7日夕高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りとした。また安値形成期は8日夜から12日夜にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるとしたが、14.05円を超えないうちは一段安余地ありとした。
1月12日夕刻に14.00円まで戻してから失速しているため11日夕安値を直近のサイクルボトム、12日夕高値を同サイクルトップとしてすでに新たな弱気サイクル入りしているとみて14日夕から18日夕にかけての間への下落を想定する。ただし12日夕高値を上抜き返す場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りと改めて13日の日中から14日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では1月11日の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落した。11日夕刻以降は横ばい推移のために遅行スパンは実線と交錯に入っているが先行スパンからの転落が続いている。このため強気転換は先行スパン突破からとし、先行スパンからの転落中は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11日以降の横ばいにより50ポイント前後が抵抗となって概ね50ポイント以下での推移が続いている。このため50ポイントを下回るうちは一段安警戒として30ポイント前後を試す下落を想定する。強気転換は50ポイント超えからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。

(1)当初、13.80円を下値支持線、14.00円を上値抵抗線とする。
(2)14.00円以下での推移中は一段安余地ありとし、13.80円割れからは13.70円前後への下落を想定する。13.70円以下は反騰注意とするが、13.90円以下での推移が続く場合は14日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.00円超えからはいったん戻しに入るとみて14.10円前後への上昇を想定する。14.10円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、14.00円を超えてからも13.95円以上での推移なら14日は高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月13日
 16:00 11月鉱工業生産 前年同月比 (10月 10.2%、予想 9.5%)
 16:00 11月小売売上高 前年同月比 (10月 12.0%、予想 9.5%)
 16:00 11月小売売上高 前月比 (10月 4.2%、予想 1.8%)
 19:00 12月自動車生産 前年同月比 (11月 5.4%)
1月14日
 20:30 週次外貨準備高 1/8時点 (12/31時点 500.0億ドル)

1月15日 
 17:00 12月財政収支 (11月 134.3億リラ)
1月20日
 23:30 12月中央政府債務 (11月 187.2億リラ)
1月21日
 16:00 1月消費者信頼感指数 (12月 80.1)
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 17.0%、予想 17.0%)
 20:30 週次外貨準備高 1/15時点

注:ポイント要約は編集部

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