ランド円レポート月曜版
〇ランド円、ドル円要因に沿った動きで安値6.57レベル、高値6.90レベルに
〇バイデン候補勝利は中国を最大の貿易相手国とする南アにとって中期的に好材料
〇今週木曜に南ア中銀の政策金利発表、現状維持か利下げか可能性は五分五分
〇今週は6.57レベルをサポートに、6.90レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「週足のテクニカルなターゲットの水準から、6.45レベルをサポートに、6.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.57レベル、高値が6.90レベルとなり、予想レンジよりも10銭ほどランド高での推移となりました。
先週のランドはランド要因よりもドル円要因に沿った動きが目立ち、特に週初月曜に株高の動きによってドル円が大きく円安に動いたことから、他のクロス円同様にランド円でもランド高・円安に動くこととなりました。週明けの水準が週間安値で6.57、欧州市場でドル円とともに上昇し週間高値6.90をつけています。
それ以外には目立った材料はありませんでしたが、バイデン候補勝利によって新政権ではこれまでの米国第一主義の修正を測り、通商面での対立が緩和されていく方向性から、特に中国を最大の貿易相手国とする南アフリカにとっては中期的に好材料となっていく可能性があります。菅首相とバイデン候補との電話会談で安保については中国と距離を置く姿勢を明確にしたことも米中関係が一方的に中国寄りにならなそうだという点で良かったと言えるでしょう。
今週は南ア中銀の政策金利発表が木曜にありますが、コンセンサスは現状維持です。しかし、ECBやFRBが12月に追加緩和を行うことが確実視されることから、南アも下げる可能性はあります。9月の会合では賛成多数で現状維持の3.5%となりましたが、2人のメンバーが0.25%の利下げを主張したこともあって、今回の会合では利下げを主張するメンバーが増えるでしょうし、個人的には現状維持の3.5%と0.25%利下げして3.25%とする可能性は五分五分ではないかと見ています。
市場参加者の反応ですが、現状維持の場合には予想通りということで動きは出ないでしょうが、利下げとなった場合には初動はおそらくランド売りで反応、しかしランドの下げも限定的でその後は買われる展開になるのではないかと考えます。このあたりは、テクニカルにも最近のランドが強いという背景もあります。
今週はまずランド円の週足チャートからご覧ください。
冒頭の振り返りでも書きましたが、三角もちあいの上抜けで2019年安値をターゲットとしやすい流れでしたが、既に同水準は達成して現在は2019年12月の戻り高値と2020年の史上最安値の61.8%戻しとなる6.98、ほぼ7円の大台をターゲットにしていると見ることが可能です。
そして三角もちあいのレジスタンス側の起点となっている高値6.57レベルが既にサポートとなりやすい水準です。このシナリオが崩れるとすると、今週金曜のNY引け間際に予定されているS&Pによる格付け発表です。ここで格付け引き下げとなると、反落の動きに繋がるのですが、これはどちらかというと来週週明けの動きへの影響と見てよさそうです。
引き続き堅調な動きを考えていますが、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
上述した上下のターゲットをピンクの水平線で示してありますが、ザラバのチャートを見る限りは現在の水準はそのレンジの中心付近、先週月曜の高値を抜けられるかどうかがカギとなりそうです。そうなると、底堅い動きは続けるものの、高値更新の動きも格付け発表を見てからという流れになる可能性の方が高いと言えそうです。
今週は下値側は三角もちあい起点の高値6.57レベルをサポートに、上値側は先週高値トライは来週以降に持ち越しと見て6.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.10.04
ドル円、心理的節目147.00を突破し、約1カ月半ぶり高値圏へ続伸。本日は米雇用統計に注目(10/4朝)
3日(木)のドル円相場は堅調な値動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.03
東京市場のドルは147円台まで上昇、147.6円水準の雲下限に上値を押さえられた格好か(24/10/3)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株上昇で海外時間のドル高円安の流れが継続したことから、9月3日以来の147円台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.10.03
ドル円 予想以上にドル強い、ただ上昇一服も近い!?(10/3夕)
東京市場はドルが底堅い。昨日からさらに続伸し、一時1ヵ月ぶりの147円台を示現したものの、勢いは続かなかった。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.11.21
南アランド週報:『新型コロナの感染拡大やフィッチによる格下げがランドの重石か』(11/21朝)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9には、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.11.14
南アランド週報:『8ヵ月ぶり高値更新後に伸び悩む展開。南ア中銀会合に注目』(11/14朝)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9にかけて、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。