基本保ち合いもコロナ第2波が波乱要因(7/9夕)

9日の東京市場は、ドルが冴えない。わずかながら前日に記録した月間ドル安値を再び更新する局面も観測されていた。

基本保ち合いもコロナ第2波が波乱要因(7/9夕)

基本保ち合いもコロナ第2波が波乱要因

〇ドル円107.20-25で寄り付くもレンジ取引引き、一時107.15-20で月間安値を更新
〇東京都の新型コロナ新規感染者過去最多の224人と伝えられ、一時株式市場を中心に失望感が広がる
〇「米中対立」と「新型コロナの第2波への警戒」が引き続き注目材料
〇上方向は107.60の攻防、下は106.80を下回れば6月安値の106.08がターゲットか
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.80-107.70

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は、ドルが冴えない。値幅そのものは20ポイント程度と極めて小さかったが、わずかながら前日に記録した月間ドル安値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円は107.20-25円で寄り付いたものの、新規材料も乏しくレンジ取引。ただ、値幅は20ポイントと限られたが、そのなかで乱高下をたどっている。一時107.15-20円を示現し、月間安値を更新する局面も。
なお、日経平均株価は一時200円を超える上昇で、ドル/円などの下支えに寄与したが、終盤にかけて「東京都の新型コロナ新規感染者は224人」と伝えられたことが嫌気され、上げ幅を急縮小。ドル/円もやや円買い優勢をたどると、16時現在では、107.25円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日米の新型コロナ感染状況」について。
まず米国については、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で、新型コロナウイルス感染者が300万人を超えたことが明らかになるなか、ペンス副大統領は「陽性者のうち130万人以上が回復している」と述べたうえで、「死亡率は低い」と反論していた。また、それとは別にデータ的にも感染が抑制しきれていない状況下、トランプ大統領が早期の学校再開を要求し、物議を醸していたようだ。さらにトランプ氏からは「再開に応じない学校への補助金削減を示唆」するなど、11月の米大統領選をにらんだある種の「点数稼ぎ」か、恫喝に近い発言も聞かれていたという。

対して日本は、西村再生相から「東京都のコロナ感染拡大は警戒すべき状況」といった発言が会見を通して聞かれるなか、「東京都の新型コロナ新規感染者は過去最多の224人」と伝えられ、一時株式市場を中心に失望感が広がった。なお、昨日西村再生相は会見で「緊急事態宣言をだすような状況にない」と指摘していたが、わずか一日で状況は確実に悪化。緊急事態宣言の再発例やロックダウン(都市封鎖)を懸念する声なども再燃してきた。

<< 欧米市場の見通し >>

世界各地で取り沙汰される「新型コロナの感染第2波」が、単なる懸念でなく現実のものになりつつある。問題は、今後の対応についてで、豪メルボルンのように「再び外出規制を導入」するべきなのかどうかを含め、日米などのトップは難しい判断を迫られそうだ。そうしたなか、金融市場は再び米株安傾向に傾斜すれば、為替市場もドル売りが進行しかねないかもしれない。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。とくに後者は、「新型コロナの世界感染者が1200万人突破」、「米国だけで300万人超」、「アフリカの感染者は3週間で倍増50万人超」−−など悪化の一途をたどる報道ばかり。連日の状況で感覚がすでにマヒしている感も否めないが、冷静に考えるとドルは買いにくいとの声も。

テクニカルに見た場合、ここ数日ドルは下値を少しずつ切り下げている。昨日割り込めなかった107.20円レベルを本日東京でわずかに下回ってきた。ただ、それでも依然として107円台にはとどまっており、ドルの下値リスクが高まっているとも言えそうにない。ただ、106.80円を下回れば、6月安値の106.08円がターゲットとなりそうで、下げが加速しかねないようだ。

本日は、週間ベースの新規失業保険申請件数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。雇用統計を持ち出すまでもなく、米雇用環境は大きく改善しているとみられるだけに、本日の指標を注視している向きも少なくない。
また、米財務省による30年債の入札やボスティック・アトランタ連銀総裁によるオンラインセミナー、ユーロ圏財務相会合などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.80-107.70円。上方向は、移動平均の90日線が位置する107.60円前後の攻防を注視。ただ抜けても上値は重そうで、一本調子の108円台回復は難しいとの声も。
対するドル安・円高方向は、本日安値107.15-20円が最初のサポート。割り込むと前回安値の106.80円や、さらに下げが加速すれば106.08円がターゲットに。

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ドル円日足

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