短期トレンドは“豪ドル強気”。中期トレンドは“豪ドル弱気”変わらず。
〇豪州は感染封じ込め早期の経済活動回復に成功
〇RBA総裁は景気が当初予想ほど悪化しないとの見方を示す
〇豪ドル円71円台に上昇2/28以来の高値をつける
〇日足は3/19に付けた59.91を安値として下値を切り上げる流れ、豪ドル円短期は強気を維持
〇中期トレンドは75.50超えで越週しない限り豪ドル弱気のトレンドに変化なし
世界経済再開への準備が進行する中で、オーストラリアは感染拡大の抑制に効果を上げて早期の経済再開に成功しており、また、28日にはオーストラリア準備銀行のロウ総裁が、景気悪化が考えられているほど深刻とならない可能性や4-6月期の就業者数が、当初予想の▼20%より低い▼15%程度に収まるとの見方を示したことが好感され、豪ドルは対米ドル、対円で堅調に推移しています。中国の国家安全法制定による香港情勢の緊迫化や米中関係の悪化が懸念材料ですが、世界経済再開への期待がより強くリスクオンの動きが勝る中で、豪ドル/円は27日には71.92まで上昇し、2月28日以来の高値水準まで戻しています。
チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91を直近安値として下値を切り上げる流れを維持しています。70円台に実体を乗せたところから、短期的には新たな上昇トレンドに入っており、短期トレンドは“豪ドル強気”の流れを変えていません。一方で71〜72円台には日足、週足ベースで見た強い上値抵抗が散在しており、上下動を繰り返す可能性も高いと見られます。日足の上値抵抗は71.60-70、72.00-10、72.40-50に、下値抵抗は、70.50-60、69.90-00にあります。21日移動平均線は69.79あり、短期トレンドは“豪ドル強気”の流れを維持しています。120日線も71.15にあり若干上抜けていますが、200日線は72.11に位置しておりこれらを上抜けきれておらず、強い上値抵抗として働く可能性があります。
一方直近の週足は、寄り付き安値の陽線引けとなり、この足が70.60-70の週足の抵抗を上抜けて越週しており、新たな上昇トレンド入りの可能性が生じています。このまま70円台を維持して越週した場合は1月に付けた76.25を戻り高値とするレジスタンスラインから頭一つ上抜けて、上値余地がさらに拡がる可能性が生じます。この場合でも中期トレンドが強いわけではないので豪ドル急伸にも繋がり難く、中期トレンドは75.50超えで越週しない限り、“豪ドル強気”に変化しません。週足の上値抵抗は71.80-90、72.40-50に、下値抵抗は70.60-70、69.90-00にあります。69.50以下で越週した場合は短期トレンドが変化します。31週、62週移動平均線は71.76と73.43にあり、中・長期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変わりありません。
注:ポイント要約は編集部
豪ドル/円【週足】:5/28現在31週移動平均線は71.76に、62週線は73.43にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変わりない。
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