トルコリラ円見通し 上海株下げ止まりとNYダウ大幅反騰でリスク回避感が緩んで上昇(20/2/5)

2月4日夜には1月31日午前高値を上抜き、2月5日未明にはドル円がさらに続伸する中で18.33円まで高値を切り上げた。

トルコリラ円見通し 上海株下げ止まりとNYダウ大幅反騰でリスク回避感が緩んで上昇(20/2/5)

【概況】

トルコリラ円は1月17日高値18.82円からの下落が続き、新型コロナウイルスの感染拡大報道を背景としたリスク回避感が強まる中で2月3日朝には18.07円まで安値を切り下げた。1月31日にNYダウが600ドルを超える急落となり2月1日未明にドル円が108.30円まで一段安したことが背景だったが、その後はダウが反騰、ドル円も戻したためにトルコリラ円も上昇に転じ、2月4日夜には1月31日午前高値を上抜き、2月5日未明にはドル円がさらに続伸する中で18.33円まで高値を切り上げた。
上海総合株価指数は2月3日の春節明けに一時は8%を超える暴落となり、2月4日も前日比2%を超える続落で開始したものの終値では前日比1.34%高まで切り返した。人民銀行の大規模な資金供給による企業支援が暴落後の反騰期待による買いを助長したようだ。

NYダウも2月4日は前日比493.4ドル高と続伸して1月31日の前日比603.41ドル安による大幅下落をほぼ解消、ナスダック総合株価指数は史上最高値を更新した。
感染拡大は続いているもののWHOは2月4日時点で「パンデミックではない」とし、中国国内の混乱も当初のパニック的な様相から落ち着き始めたことでリスク回避感が緩み、株高円安が進んだことでトルコリラ円も巻き返しに入ったという状況だ。

2月4日のドル/トルコリラは小動きで1月30日高値の後は新たな高値更新へ進めずにいるが高値圏を維持している。
イスタンブール100株価指数はアジア株高とダウ先物の大幅上昇を背景に前日比2.43%高と大幅上昇し、直前6日分の下落を解消した。

【シリア情勢】

トルコ政府は2月3日にシリア北西部のイドリブ県でトルコ軍がシリアのアサド政権側から砲撃を受けて兵士ら8人が死亡したと発表した。これに対してトルコ軍は2月3日にF16戦闘機により周辺県を含むシリア領域54か所を空爆してシリア軍兵士76人を「無力化」したと発表した。
イドリブ県は国際的な停戦状態にあり、トルコは停戦監視として軍を駐留しつつ、県内の反政府勢力を支援してきた。一方でロシアはアサド政権を支援してきた。トルコとシリアの正規軍同士の直接的な大規模戦闘は今まで見られなかったために今後の展開が注目されるが、トルコのエルドアン大統領は「停戦義務を果たせ」とアサド政権を支援しているロシアを批判しつつ、全面的な軍事衝突を避けるためにロシアと協議を始めた模様だ。しかしシリアのアサド政権はイドリブ県を掌握すると全土の制圧に近づくためにロシアとの協議が進まないと全面的なシリア・トルコ戦争へと発展する懸念も残るところだ。トルコリラやトルコ株式市場に対する影響は今のところ見られない。

新型コロナウイルスの感染拡大問題については、トルコのコジャ保健相が2月3日に「トルコには新型コロナウイルス感染者はいない」と発表し、中国からの全フライトを2月5日から2月末まで運航停止にすると発表した。また日本や韓国、台湾、タイ、香港、シンガポール、マレーシアからのフライトの乗客に対してもサーマルカメラによる体温測定を開始すると発表した。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月30日朝に1月27日朝安値を割り込んだために1月27日夕高値と29日朝高値をダブルトップとし弱気サイクル入りとし、1月31日深夜の下落で31日未明安値を割り込んだために2月3日午前時点では底割れによる新たな弱気サイクル入りとした。しかしその後は下げ渋り、4日夜の反騰で31日午前高値を上抜いたため、1月27日朝安値から5日目となる2月3日安値を直近のサイクルボトムと改めて強気サイクル入りとする。トップ形成期はダブルトップの1月29日朝高値を基準とすれば2月5日朝にかけての間と想定されるので、既に2月5日未明高値でサイクルトップをつけて弱気サイクル入りする可能性が考えられるが、18.20円以上での推移中はサイクルトップ形成の延長入りによる上昇余地もあると考える。
18.20円割れからは弱気サイクル入りと仮定して2月6日朝から10日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2月4日夜の上昇で先行スパンを突破した。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、新たな高値更新へ進めないと2月5日夕刻以降には遅行スパンが悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは安値試し優先とする。その際は先行スパンが下値支持帯となりやすいが、先行スパンから転落するような下落が発生する場合はその後の下げがさらに厳しくなり2月3日安値割れへ向かう可能性も高まると注意する。

60分足の相対力指数は2月4日夕高値から2月5日未明高値への高値切り上げに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せているので、60ポイントを支持線として70ポイント以上へ切り返す場合は上昇継続とするが、60ポイント割れからは下落局面入りとして30ポイント台への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.20円を下値支持線、2月5日未明高値18.33円を上値抵抗線とする。
(2)18.20円以上での推移中は高値更新余地ありとし、5日未明高値超えからは18.40円試しを想定する。18.40円以上は反落警戒とするが18.20円以上での推移が続く場合は6日も高値を試す余地が残るとみる。
(3)18.20円割れからは弱気サイクル入りと仮定して2月3日安値18.07円試しを想定する。18.10円前後では買い戻しも入りやすいとみるが、株安円高が再燃する中で下落する場合は底割れにより先行きで18円割れを目指す可能性が出てくると注意する。

【当面の主な経済指標等の予定】

2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 13.4%)
2月13日
 16:00 12月鉱工業生産 前年比 (11月 5.1%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 1.7%)
 16:00 12月小売売上高 前年比 (11月 8.5%)
2月14日
 16:00 12月経常収支 (11月 -5億1800万ドル)
2月19日
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 11.25%。予想 11.00%)

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