サプライズ利下げに踏み切るも反応薄。来週は南アCPIに注目
今週のレビュー(1/13−1/17)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.62円で寄り付いた後、翌14日に、安値7.58円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線やボリンジャーバンド下限に続落を阻まれると、@南ア・10ー12月期BER消費者信頼感指数(結果▲7、予想▲8)及び、A南ア・11月小売売上高(結果+2.6%、予想+1.5%)の良好な結果や、B米中第1段階合意署名を受けたグローバルなリスク選好ムードが下支えとなり、週末にかけては、高値7.68円まで上昇しました。この間、南アフリカ中銀(SARB)が政策金利を市場予想に反して25bp引き下げるといったサプライズが見られましたが(結果6.25%、予想6.50%、※利下げは2019年7月以来半年ぶり)、市場の反応は限定的となっております(直後に下落するもすぐに持ち直す展開)。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、7.63円近辺で推移しております。
来週の見通し(1/20−1/24)
南アフリカランド円相場は、12/27に記録した高値7.83円(約8ヶ月ぶり高値)をトップに反落に転じると、本年1/8には、一時7.45円まで急落しました。今週に入り7.68円近辺まで持ち直す動きも見られましたが、ボリンジャーミッドバンドの上抜けに失敗したこと、先週の高値(7.75円)に到達できなかったこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、「上値は重い」と判断できます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(南アフリカ中銀は1/16、GDP見通し、物価見通しを下方修正)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第1段階合意署名は実現するも、第2段階合意は後ずれする公算大)、Cムーディーズによる3月審査での格下げリスク(2月に予定されている南ア・予算発表で財政健全化見通しが示されなければ、翌3月に格下げが行われる可能性大。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされるリスクあり)、D中東を巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。ムーディーズによる格下げリスクが燻る中で、上値余地は乏しく、来週は、1/22に予定されている南ア・12月消費者物価指数(CPI)の結果を睨みながらも、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(CPIが伸び悩めば、追加利下げ観測を通じて南アランドに下押し圧力が加わる可能性あり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75
南アフリカランド円日足
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Edited by:山中 康司
2020.01.20
ランド円ショートコメント(2020年1月20日)
わずかにランド安が進んでいるという見方のほうが、全体の状況を見誤らないかと思われます。
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