ユーロ 今週ももみあいが濃厚(週報4月第3週)

ECB理事会で目立つ立場と言えば、ドラギ総裁、コンスタンシオ副総裁といったあたりでしょうが、両者とも特にドラギ総裁はハト派中のハト派として知られます。

ユーロ 今週ももみあいが濃厚(週報4月第3週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、週前半はノボトニー・オーストリア中銀総裁のタカ派発言の水準を上げ、水曜には1.24間近まで上がったものの、後半はリスクオフ懸念の後退もあり失速、1.23台前半で方向感のはっきりしない流れとなりました。材料的にはオーストリア中銀総裁もECB理事会のメンバーであり、同総裁の発言が思いのほか具体的な内容であったことからECB関係者が牽制することになったのだと思いますが、裏を返せばそれなりに重要性が高い発言であったと考えることも出来そうです。

ECB理事会で目立つ立場と言えば、ドラギ総裁、コンスタンシオ副総裁といったあたりでしょうが、両者とも特にドラギ総裁はハト派中のハト派として知られます。ドラギ総裁の任期は2019年10月までとまだ時間は残っていますが、次期総裁候補筆頭のドイツ連銀総裁も含め、タカ派メンバーも徐々に目立ってきて来ています。それだけ欧州を取り囲む環境が緩和縮小に近づいてきたことの表れでもありますので、今すぐの話では無いにせよ9月以降(現状、債券購入は9月まで)のヒントに反応しやすくなっていると考えられます。どちらかといえばユーロ買いの材料にされるニュースに反応しやすいでしょう。

また政治面ではイタリアの連立協議が相変わらず先に進まず、13日の第2回目の協議でも大統領が数日待ってから(18〜19日頃)、打開策(調停役の指名など)を検討と述べました。今週後半には何らかの動きが出て来る可能性が高まってきましたので、日米首脳会談と合わせて政治的なニュースが出やすそうです。こちらについては、方向性が見えてくればユーロ買いと考えられますが、5つ星と同盟の組み合わせは反EUで一致していることもあり、結果待ちとなります。

もうひとつは、週末に実施されたシリアへの攻撃に英国とフランスも歩調を合わせて参加したことです。フランスのマクロン大統領は以前より化学兵器の証拠が見つかった場合は攻撃すると言明していたため、それを実行に移したこととなりますが、シリア情勢が今後ロシアも含めてどうなるかという点は不透明です。仮に今後も米国の攻撃が続いたり、ロシアとの対立が強まったりするような動きとなれば、当面見守るしかありませんがユーロ売りの材料となるでしょう。

またポジション面では、シカゴの通貨先物では円のポジションがほぼ無いのに対して、ユーロのポジションは相変わらず高水準の買いが続いていて、ほぼ過去最高水準となっています。お腹いっぱいに近い状態ですから、ポジション面では今週は新たな買いよりは、ポジション調整の売りが出やすいかもしれません。

テクニカルにも方向感がはっきりしない流れが継続しています。日足チャートをご覧ください。

             ユーロドル日足

             ユーロドル日足

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週はいったんラインを直近のもののみを残して引き直しました。これを見ると2月の年初来高値からのレジスタンスラインと、3月安値からのサポートラインでトライアングル(三角もちあい)形成していて、どちらかに抜けるまでは方向感が出にくいチャートパタンです、現在の水準はそのトライアングルの中心水準にあり、今週現在で1.22台前半と1.24台前半がそれぞれのラインの位置となります。

これを見ると材料的にも継続中のものが多い中、今週ももみあいを継続しやすいということになりそうです。今週は1.2225レベルをサポートに、1.2425レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

つい先週のことですが、ある欧州系AIチャート分析ソフトでGBPEURでの売買推奨が出ていました。日本の場合、取引システムにEURGBPはあってもGBPEURはありません。EURクロスの場合、EURJPY、EURCHFと通常は1EURが●●と表記します。この分析ソフトが何故EURGBPでなくGBPEURと書いたのか理由はわかりませんが、欧州の通貨取引において1GBPが●●という表記は結構一般的だったりします。

今後ブレグジットで英国がEUから離脱ということになると英国内では、今以上にGBPEURという表記が増えて来る可能性もありそうです。ただ、EURGBPもGBPEURも建値が違うだけで相場の動きとしては上下が逆になっただけです。取引する際にわからないと考えず、単純に1の割り算でそれぞれのレートが計算可能です。

 EURGBP = 0.8655
 1÷0.8655=1.1554
 GBPEUR=1.1554

こんな感じですね。他にも北欧通貨などで、SEKNOKだったりNOKSEKだったりと建値が変わるケースがしばしば観察されます。

先週は久しぶりにGBPEURというレートを見たため、簡単な逆算方法を書いてみました。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

4月16日(月)
25:30 ショルツドイツ財務相講演

4月17日(火)
11:00 中国1〜3月期GDP
17:30 英国3月失業率
18:00 ドイツ4月ZEW景気期待指数
18:00 ユーロ圏4月ZEW景気期待指数

4月18日(水)
17:30 英国3月CPI・PPI
18:00 ユーロ圏3月CPI確報値
18:00 ユーロ圏2月建設支出

4月19日(木)
17:00 ユーロ圏2月経常収支
17:30 英国3月小売売上高
25:00 ノルウェー中銀総裁講演

4月20日(金)
**:** G20
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感速報値

4月22日(日)
 **:** ドイツSPD党首選

前週のユーロレンジ

       始値  高値  安値  終値

ユーロドル 1.2271 1.2396 1.2261 1.2330
ユーロ円 131.25 132.89 131.13 132.38


(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

4月9日(月)
 週初のドル円は日経平均株価の上昇とともにリスクオンの動きが先行、欧州市場序盤には黒田日銀総裁の大規模緩和継続の話も下支えとなったものの高値は107.20レベルまでと勢いに欠ける動きでした。その後は貿易問題等不透明な材料も残っているため107円台前半では売りも出てNY後場のダウの下げとともに106.62レベルへと押しやや戻して引けました。いっぽうユーロドルは、東京市場では動きは見られなかったものの、NY市場の朝方に実需のユーロ買いが対ドル、対円で出て前日高値を上回るとストップオーダーも巻き込みながら1.2330レベルまで上昇し、高値圏での引けとなりました。

4月10日(火)
 東京市場ではやや上値の重たい展開となっていましたが、欧州市場に入りオーストリア中銀総裁がタカ派発言を行ったことでユーロ高に、また英中銀のMPC委員も利上げに積極的な発言をしたことで、ユーロ、ポンドともに買われる流れとなりました。ECBはオーストリア中銀総裁の発言を個人の見解とけん制したものの、同総裁のECB緩和縮小を肯定する発言を受け1.2378レベルまで上伸後、上下に振れながらも底堅い地合いでの引けとなりました。

4月11日(水)
ドル円がリスクオフで円高・ドル安となった動きに歩調を合わせてのドル売り・ユーロ買い。前日のオーストリア中銀総裁のタカ派発言の余波もあり、NY市場の朝方には1.2396レベルの高値をつけました。引けにかけてはユーロ円の売りも出てきて朝方の水準に押して引けました。

4月12日(木)
 東京市場では同じく動きが見られなかったもの、欧州市場に入るとドル円のドルの動きに追随してのユーロ売りとなりました。NY市場では1.2300レベルの安値を付けたものの下げきれず、引けにかけてはやや戻してのクローズとなりました。

4月13日(金)
 ユーロドルは、終日ほとんど動意が見られず1.23台前半での小動き、一日のレンジも40pipsにも満たず、方向感の無いままでの週末クローズとなりました。

ディスクレーマー

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