ユーロドル やや売り優勢
北朝鮮の地政学リスク後退せず
ユーロドルは方向感が定まらないなか、アジア時間はややユーロ売り優勢の展開となりました。市場では本日も北朝鮮とアメリカの核をめぐる舌戦が続き材料として消化しきれず、とりわけユーロは地域的に遠いこともあり、売買の判断が難しくなっています。
昨晩はトランプ大統領と北朝鮮の応酬に対し、ティラーソン国務長官が火消しに奔走、外交による解決姿勢を強調したことから一旦はドル買いとなり、ユーロも一時は1.17割れを示現しました。しかし、その後もトランプ大統領と北朝鮮の応酬は止まず、本日は北朝鮮が8月までに4発のミサイルをグアム近海に撃ち込むプランを検討中と発表。本日アジア時間はユーロは対ドル1.17台後半から徐々に値を下げ、東京時間19:00現在は1.1710近辺で取引されています。
戦争を仕掛けようとする国が、攻撃の時期や撃つ予定のミサイルの本数、ターゲットの領域(しかもグアム近海としていて米軍基地はターゲットとしていない)と経路を相手に事前に通知するというのはあまり聞いたことがありません。さらにそれらを準備した上で「将軍様」が判断すると指揮命令系統まで強調して明らかにしているのは、北朝鮮内にできれば戦争を回避したいとする勢力があって、必死にミサイル問題を外交の手段として認識して欲しいとしているように思えてなりません。
そういう意味では米国も北朝鮮も指導者以外は今後も外交的解決を模索すると考えてよいものと思いますが、両国の指導者の行動が読みきれないために地政学リスクは引き続き残ります。
ユーロ上昇力を無くし持ち合い相場の最初の下限に接近
なんとなく落ち着かない状況の中で、本日は米国の生産者物価指数(PPI)の発表となります。ユーロドルは上昇のモメンタムを失い漂流中、最初のサポートである比較的短期のトレンドラインや21日移動平均線が1.168台にあり、かなり接近していることから予想外にPPIが良化していたりすると、ユーロドルがさらに下推す可能性があり要注意です。
地政学リスクを意識して本日も序盤の欧州株価指数は全面安の様相。
本日のPPI発表は21:30からで市場予想は前年比+2.2%となっています。
オーダー/ポジション状況
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